耕作放棄地で西山大豆を育て、地域の宝に!(長野県長野市)
2012年03月30日
長野県長野市中条にある小学校、中学校、高等学校の児童と生徒たちが、地域に伝わる「西山大豆」の栽培、収穫を通じて農業を知り、地域の歴史や知恵を学ぶ体験学習に取り組んでいる。 (※1)
平成23年度(2011年)、新たに西山大豆を栽培するのは、市内の遊休農地18a。
5月31日、クボタeプロジェクトにより、雑草と雑木に覆われた斜面が復元され、畑として甦った。その後、長野市立中条小学校の2年生11名、中条中学校の生徒9名、長野西高等学校中条校の生徒31名が、クボタ元氣農業体験教室で、栽培に取り組んだ。
「西山大豆」とは、大豆の品種ではなく、西山地域(長野県長野市西部の七二会・中条・信州新町と小川村一帯)で作られてきた10数種類の大豆を総称した呼び名である。高齢化等により作り手が減り、栽培面積が減っているものの、急斜面で作られる西山大豆は味が良く、地域おこしの目玉として注目を集めている。
6月13・14日 小学生、中学生が種まき。小学生は手まき、中学生は手押しの播種機を使って、傾斜のある畑に大豆をまいた。
7月19日 草が伸びるこの時期、高校生は機械を使って中耕培土を行った。小学生は手作業で除草した。
11月14日 小学生が大豆の収穫を体験した。その後、コンバインによる収穫を間近で見学。子どもたちは皆、機械による収穫の早さに驚いていた。
左 : これから大豆の収穫 小学生・高校生勢揃い
右 : みんなでコンバイン収穫見学、早いなー!!
11月29日 早速、収穫したての大豆がきなこになって、小学校の給食で、きなこパンとして提供された。児童たちは、大豆がさまざまな加工品に変わって、自分たちの口に入ることを学んだ。
中学生は、西山発祥といわれる「くらかけ豆」(品種:信濃鞍掛)の栽培にも挑戦し、さらにトマトやキュウリ、カボチャ等の野菜栽培にも取り組んだ。
高校生は、この体験を通して郷土に学び、また小中学生との交流等を通じて、将来の自分についても思いをめぐらせる機会となったようだ。(みんなの農業広場事務局)
左 :おいしいね / 右 :みんなで育てた大豆が「きなこパン」になりました
※1 この取り組みについては、(株)関東甲信クボタをはじめ、信越放送、農業委員、長野農業改良普及センター、中条地区住民グループ(中条「西山大豆をつくろう」)、長野市中条支所がそれぞれ支援を行った。