提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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取り組みレポート



鳥海山麓で菜の花栽培による耕作放棄地再生と地域興し(秋田県由利本荘市)

2011年11月02日

 昨年、鳥海山麓をのぞむ秋田県由利本荘市鳥海桃野地区の耕作放棄地1.87haを再生し、菜の花を栽培したのは、秋田県由利本荘市の(株)秋田ニューバイオファームならびにNPO法人あきた菜の花ネットワーク。2年目となる23年度も、(株)秋田クボタがクボタeプロジェクトによる再生作業を支援したので紹介する。


平成23年4月上旬 雪割り
 今年の春は雪解けが遅れたため、雪割りを行った。対象地の圃場に水はけが悪い場所があり、そこではほとんど菜の花が成育していなかった。


  
左 :雪割り
右 :丸印の箇所は、水はけが悪く、生育不足となった場所


 予定より1週間遅れの5月28・29日に、菜の花祭りを実施した。


  
菜の花祭りのようす


7月18・19日 刈り取り・草刈作業
 晴れて気温が34度にまで上がる中、菜の花の刈り取りと草刈り作業が行われた。菜種の収量は487kg(作付面積1.78ha)と平均収量の4分の1程度だった。また、菜の花祭り以降、除草等を行わなかったためか、予想以上に雑草が繁茂していた。


  
刈り取り作業


  
草刈り作業


7月22日 プラウ作業
 プラウにより圃場を反転耕起した。昨年に比べて土壌は柔らかくなり、耕起深さは約20cmと深くなった。また、昨年取りこぼした石礫もしばしば見られた。



プラウ作業


  
耕起前(左)と耕起後(右)


7月25・26日 整地・弾丸暗渠取り付け作業
 バーチカルハローによる整地を実施した。2日目には簡易暗渠(明渠)を追加する予定だったが、排水を強化するため、弾丸暗渠に変更して設置した。


  


7月27日 肥料鋤き込み作業
 前日、弾丸暗渠設置後に、地元農家が鶏糞の散布を行ったが、翌27日、整地を兼ねて肥料を鋤き込み、菜種の播種に備えた。


  


8月27日 菜種の播種作業
 収量向上を狙い、今年は排水対策、除草にも配慮することにした。そのため、条間は75cm(昨年は45cm)、去年はしなかった畝立てもしながら、播種を行った。これにより、クボタeプロジェクトによる支援は終了した。


    
左 :本年度 条間75cm・畝立てあり
右 :昨年度 条間45cm・畝立てなし


  


 秋田ニューバイオファームでは、菜種から搾油した菜種油を自社ブランド「菜ピュア」の名前で販売している。この地区で今春と来春採種の菜種は、搾油後、「菜ピュア」として販売する予定。2年間菜種を栽培した後は、連作障害回避のため、元耕作放棄地ではニンニクやタマネギ等の野菜を栽培することになっている。(みんなの農業広場事務局)