提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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考えられるおもな要因と対策を以下に記します。
(1)土壌化学性
●pH(酸度)が低い(5以下程度)。酸性土壌だと根が張れず、葉が黄色くなりやすい。
対策 :植え付け前に石灰資材の投入、窒素主体の葉面散布(4~5日おきに3回程度)
●リン酸が欠乏(可給態リン酸50mg/100g以下程度)すると葉が黄色くなりやすい。ほ場乾燥で助長。
対策 :植え付け前にリン酸資材の投入、窒素・リン酸の葉面散布(4~5日おきに3回程度)
●未熟な堆きゅう肥を多投すると、高温時急激に分解して硝酸態窒素が多く発現し、根傷みを起こして、葉が黄色くなりやすい。
対策 :堆きゅう肥施用を避ける、窒素主体の葉面散布(4~5日おきに3回程度)
(2)土壌水分
●ほ場の排水が悪く過湿になると、根傷み(酸欠)を起こし、葉が黄色くなりやすい。
対策 :暗きょ・明きょなど排水性改善、窒素主体の葉面散布
●ほ場が乾燥すると、根傷みを起こし、葉が黄色くなりやすい。
対策 :できればかん水、窒素主体の葉面散布(4~5日おきに3回程度)
(3)病害
●玉ねぎもにんにくと同じアリウム属で連作となるため、連作による土壌病害「紅色根腐病(根がピンク色)」「黒腐菌核病(根が出る部分や地際部が黒色)」に罹病する可能性もあり、罹病すると葉が黄色くなる。
対策 :「紅色根腐病」:連作を避ける、土壌消毒
「黒腐菌核病」:連作を避ける、土壌消毒、種子消毒
●ウイルスによる「モザイク病」に罹病すると、葉が筋状に黄色くなる。
対策 :種子更新、ウイルス媒介虫(アブラムシ、チューリップサビダニ)防除
(4)虫害
●イモグサレセンチュウの被害であれば最も怖いので、管内の普及センター等の指導機関に株を持ち込んで相談する。
対策 :根絶できないので、種子とほ場を変えるしかない