提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ

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よくあるご質問(pick up!)


稲作

水田の中心部、毎年同じような箇所で倒伏があります。倒伏は肥料過多との解釈がありえますが、作土が浅いための倒伏はありえますか?また、肥料分過多に関して、秋の粗起こし時に、石灰窒素でコンバイン藁とともにくず米やしいなを漉き込んでいます。これが、窒素分過多の原因でしょうか?

水稲の倒伏は一般に、
①過繁茂による徒長気味の生育や節間伸長期の窒素肥効により、下位節間が伸びて茎が根元から折れるケース
②稈長が長くなって湾曲するケース
③天候不良や根腐れ等で萎れるように倒れるケース
④圃場の土が柔らかくイネが株ごと転ぶケース  など、いろいろあります。

よく目につくのは④で、長靴が沈まない所はイネが立っているが、靴が沈むところではイネが倒れているといった状況です。
作土の浅いことの倒伏への影響については、石灰窒素を入れて秋起こしをするような、それなりに地力のあるほ場では、思い当たりません。


秋起こしの際に、イネわらに石灰窒素20kg/10a程度を施用しますが、これには窒素約4kgが含まれています。石灰窒素が分解して生成した無機態窒素は、土壌微生物がワラの炭水化物を食べて増殖する際に必要な窒素として利用され、イネわらの腐熟を促す効果があります。微生物が取り込んだ窒素は、いわゆる地力窒素となり、温度の影響を受けながらゆっくりと作物に供給されます。石灰窒素の全ての窒素が微生物に取り込まれるわけではなく、砂質の土壌では残った無機態窒素は流れて逃げますが、粘質な土壌では土壌に吸着されて残り、イネに利用される場合があります。


屑米やしいなは未熟有機物であり、条件が整うと急激に分解が進みます。冬は温度が低くてあまり分解が進みませんが、温度が上がると分解が進みます。春に湛水して温度が上がると、急に分解が進んで土壌中の還元状態を強めやすく、根腐れを招く要因にもなります。圃場へのまとまった量の還元はお勧めできません。


倒伏については、まずは、倒伏した部分の土の乾き具合、土の硬さはどうだったでしょうか。
イネの生育面では、良くできているのであれば、石灰窒素の残存肥効の影響による過繁茂、そうでもないが稈長が伸びている場合は、本田初期の土壌還元・根腐れによる初期生育の抑制と窒素の遅効きによる下位節間・稈長の伸長、生育が不良なようであれば夏場からの根腐れによるイネの衰弱などが考えられます。振り返って、検討してみてください。