提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


稲作

田んぼに1mくらいの葦が生えています。根もしっかりと生えていますが、どうやって取り除けばよいでしょう?ユンボを使用すればよいでしょうか?

水田に侵入した葦を駆除して、耕作に支障がないようにするには、地下茎まで枯死させる必要があります。
通常、耕作放棄地の復田では、地上部を刈り取り、地下部は掘り取り等を行いますが、葦は地下茎が下層土まではびこり、物理的に地下茎を完全に駆除することは困難で、生きた根が残っていれば必ず再生・繁茂してきます。そのため、葦根絶のポイントは地下茎の完全枯殺となります。これには、根まで枯らすことができる除草剤を用います。


①ラウンドアップマックスロード液剤(10a当たり500~1000ml)
・5~6月頃の新芽がある程度伸びて散布しやすい時期に茎葉に散布。
・10a当たり水100~200L(草丈・繁茂度に応じる)に溶かして散布。
・ゆっくりと効果が表れ、1~2カ月で地下茎まで枯殺で決まる。
・土に落ちた薬剤は速やかに土に吸着・分解され、後の栽培に支障はありません。

②クロレートS粒剤(10a当たり40kg)
・①と同様の時期に、そのまま田面に散布します。
・散布後2カ月程度まで、土壌表面の雑草抑制効果があります。
・地下茎が30cm以上の深さに及ぶ場合は十分な効果が得られない場合があります。


いずれも、古い枯れ茎や新芽が立っていて作業が行いにくい場合は、まず刈払います。ラウンドアップは茎葉処理なので、全刈り後に再生した茎葉に散布するか、散布に支障がない程度に高刈りして、残った茎葉に散布します。


地下茎が駆除(地上部は先に枯死)できれば、地上部の刈払い(必要に応じて搬出等)を行い、耕うんします。枯れて間もない地下茎は丈夫なため、夏場に腐熟を進めて柔らかくなるのを待って、秋~冬に耕うんします。


よく繁茂していた圃場では、普通のトラクタでの耕うんは難しく、大型トラクタが必要になる場合もあります。
腐熟期間を長くとることで耕うんの負荷は軽減されますが、急ぐ場合にはバックホーやユンボなどの重機を用いることになり、多大な労力と経費が掛かります。

湿地性の葦が繁茂しやすいところは地下水位が高いので、適切な排水対策により地下水位を下げることで土中に酸素を入りやすくして地下茎の腐熟・分解を促し、トラクタの負荷を軽減できると考えます。また、地下水位を下げることで、湿地を好む葦の駆除や侵入防止の効果が期待できます。

なお、下層に伸長している葦の根が腐ってくると、根の跡が水の通り道となります。水田として利用する場合は漏水が進む恐れがありますので、排水対策、地下水のコントロールについては、用途に応じてご検討ください。


<参考資料>「除染後水田のヨシ防除対策」(農研機構東北農業研究センター発行)