提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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休耕後にはこのようなことがよく起こります。
休耕期間に生育していた雑草や、時には野鳥などの糞に混じって侵入してきた雑木などの根が土中深く進展し、水稲作付期間に形成されていた鋤床層を突き破って、数多くの間隙を作ります。その間隙に沿って、いわゆる水の通り道が多数形成され、縦浸透が多くなり、水持ちが悪くなっているものと思われます。
畦畔からの漏水は確認できないとのことですので、この土中の間隙を埋めることが最善の策となるでしょう。
代掻きを行ったとのことですが、これまでのような代掻きでは、この漏水はなくせないと思います。
通常は、耕耘後に荒代と本代の2回代掻きで移植床を仕上げますが、今回の場合、さらに丁寧な代掻きを実施し、微細な粘土粒子を間隙に充填してやる必要があります。代掻きと代掻きの間隔を少し長めにとり、水とともに粘土粒子を中に浸透させることを繰り返してください。あと1~2回行えば、漏水は次第に少なくなってくるでしょう。
また、専門書等には漏水対策として、モンモリロナイト等のいわゆるベントナイト(粘土鉱物の総称)の施工が記載されていますが、これは土性から根本的に問題がある場合の対策ですので、安易に施工しないように注意しましょう。