「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【137】
2025年06月17日
小平市上宿公民館主催 健康づくり講座 手作り発酵食品「トマト麹作りとアレンジレシピ」
小平市の上宿公民館から依頼を受け、健康づくり講座「手作り発酵食品」の講師を務めました。
一口に「発酵食品」と言っても、醤油や味噌といった調味料、糠漬けやキムチなどの乳酸菌発酵を利用した漬けもの、納豆やテンペといった豆の加工品、鰹節や生ハムなどの魚や肉の加工品、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、日本酒やワインなどの酒類と、さまざまなものがあります。
今回の講座の冒頭で、「意識して取り入れている発酵食品はありますか?」と尋ねたところ、「毎日ヨーグルトを食べています」「納豆が好きでよく食べます」「ぬか床を作っています」といった声が聞かれました。しかし、日本では醤油や味噌、酢といった、日々の食卓に欠かせない調味料自体が発酵食品。意識せずとも発酵食品を取り入れているのではないかと言うと、「あまりに身近すぎて、発酵食品をとっているという感覚がない」という方が多くいらっしゃいました。
今回は「簡単で手軽に作れる発酵食品を手作りする」がテーマなので、野菜も一緒にとれる、トマトと米麹、塩を使った「トマト麹」を紹介しました。
数年前に塩麴がブームになったこともあってか、市販の塩麴を常備している方も数名おられましたが、トマト麹は塩麴にトマトの旨味と甘みが加わった万能調味料です。作り方は市販の乾燥米麹にトマトと塩を加えて、フードプロセッサーにかけるだけ。1日1回よく混ぜ、今の季節であれば常温で4~5日でできあがります。
■トマト麹
【材料】
トマトまたはホールトマト缶 400g
米麹 200g
塩 70g
【作り方】
① 米麹と塩をよく混ぜる。
② トマトまたはトマト缶をフードプロセッサーにかける。
③ ①に②を入れてよく混ぜる。
④ 保存用の瓶またはファスナー付きの保存袋に入れる。
事前に準備しておいたトマト麹(完成品)を味見してもらったところ、塩気はあるけれど甘みと旨味が凝縮されていておいしいという感想をいただきました。
講座では、トマト麹を使ったアレンジレシピを調理してもらいました。
トマト麹ごはんは、お米にトマト麹を加えて炊くだけ。ほんのりピンク色に染まった甘みのあるごはんです。きのこや野菜、ソーセージなど一緒に炊き込むと、お子さんも喜ぶ1品になると思います。
トマト麹ドレッシングは、トマト麹にオリーブオイルと酢を合わせて混ぜたものです。リーフレタス・トマト、スライスしたズッキーニ、ラディッシュのスプラウトにかけて試食。
ミネストローネスープはオリーブオイルで炒めた野菜に水を加えて煮こみ、味付けがトマト麹だけということで、どんな味になるのか皆さん半信半疑だったようですが、「感激するほどおいしい」という声もありました。
お店に行けば、どんな調味料も手軽に手に入りますが、ほんの少し手間をかけて手作りする楽しさを知ってもらえたのではないかと思います。
■トマト麹ごはん
【材料】
米 2合
トマト麹 大さじ2杯
【作り方】
普通に浸水した米にトマト麹を加えて炊飯する。
■トマト麹ドレッシング
【材料】
トマト麹 大さじ1杯
酢 大さじ2分の1杯~
オリーブオイル 大さじ2分の1杯~
【作り方】
材料を全てボウルに入れ、しっかり混ぜる。
■トマト麹のミネストローネスープ
【材料】(4人分)
トマト麹 大さじ2杯
玉ねぎ 1個
にんじん 1本
じゃがいも 1個
キャベツの葉 1枚
ベーコン 40g
水 400cc
オリーブオイル 適量
【作り方】
① 玉ねぎ・にんじん・じゃがいも・キャベツを1cm角に切る。ベーコンは5mm幅に切る。
② 鍋にオリーブオイルと①を入れ軽く炒め、水・トマト麹を加えて蓋をして弱めの中火で10分程蒸し煮にする。

たしろ ゆきこ
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。