「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【132】
2025年01月15日
リンゴの果実酒【シードル】専門店CREPE by SIDER
2024年12月、目黒区学芸大学駅高架下に、シードル専門店「CREPE by SIDER」がオープンしました。
シードルとは、ヨーロッパ各国やアメリカで古くから親しまれているリンゴの醸造酒です。日本では、フランスの呼び名「シードル」が知られていますが、スペインでは「シドラ」、イタリアでは「シドレ」、ドイツでは「アプフェルヴァイン」イギリスでは「サイダー」、アメリカでは「ハードサイダー」と呼ばれ、それぞれ製法や味わいもさまざまです。ここ数年、日本国内のリンゴ生産地である長野県、青森県、岩手県でもシードル、サイダーの醸造所が少しずつ増えてきています。
「CREPE by SIDER」代表の田代 尭の前職はスイーツ製造業。アップルパイの加工を担当した際にリンゴ農家を訪ねる機会があり、「青果として流通できるリンゴは多くの人手を要すること」、「見た目や規格の問題で市場に出回らないものが多くあること」を目の当たりにしました。そのような経験から、「幼いころから慣れ親しんだリンゴを、もっと多くの人に届けることはできないだろうか」という思いが心の片隅にありました。そんな時、仕事で訪ねたフランスで出会ったのがシードルです。
「ビールより軽く、ワインよりカジュアルに飲める手軽さと、メーカーごとに見事に個性の違う果実味に、感動! "果実味が強く甘いお酒"というイメージを覆す、ドライな味わいと酸味や渋みがあり、発酵によるコクや味の広がりに驚かされました。その後も、イギリスのサイダー、スペインのシドラ、アメリカではハードサイダーなど、呼び方も味わいのスタイルも、国や地域によってさまざまなシードルの奥深さを知る内に、シードルの世界の奥深さに魅了されました。低アルコール・グルテンフリーなど、シードルを多くの人に知ってもらいたい理由と、魅力はたくさんあります。なのに、日本ではまだまだ飲める場所が少ない! 世界に存在するシードル・サイダーの文化を広めたいという想いと共に、国内のりんごが生食用、スイーツのみならず、お酒に加工されることで、生産者の抱える課題を解決できる未来につながる。」(引用元)
そんな思いから、日本国内のりんご生産者や醸造家を支援し、シードルの魅力を広める役割を担うことができればと、「CREPE by SIDER」を立ち上げました。
今後は商品を販売するだけでなく、日本のシードルの魅力や背景を多くの人に知ってもらう機会を作りたいと、生産者や醸造家のこだわりを直接感じられるイベントやワークショップも企画しています。
なお、この「CREPE by SIDER」のオープンにあたり、メニュー監修に携わりました。店舗では、フランスのブルターニュ地方でシードルとなじみ深い「ガレット」(そば粉の生地を丸く焼いたもの)やクレープを提供しており、のんびりシードルを楽しむことができます。シードルに興味を持ってくださった方、ガレットを食べてみたい方、お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。
▼CREPE by SIDER ~ I'm on your side. (あなたの隣にある、親しみやすい存在へ。)~

たしろ ゆきこ
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。