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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【93】

2021年10月15日

めずらしい野菜に触れて、食べられる農園「キレド」


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 緊急事態宣言が開けたので、少し遠出をして千葉県にある農園「キレド」を訪ねました。
 予定していた日の前日に、何かおいしい野菜を食べられるお店はないものかと、「千葉 おいしい 野菜 ランチ」とインターネットで検索して見つけたのが、「キレドベジタブルアトリエ」。野菜を使ったランチやスイーツ、テイクアウトのお惣菜や調味料などの加工品も販売しているお店です。

 ホームページを見ると「おいしさとおもしろさにこだわって毎年約150種類の野菜を作る農家が、もっとたくさんのおいしいものといいモノが好きな人に出会いたくてお店を作りました。」とあり、すっかり興味津々。
 ぜひ、畑の様子も見学してみたいと思っていると、偶然にも翌日が月に一度開催している収穫体験「キレド畑ツアー」の開催日。前日の、しかも、台風の最中でしたが、問い合わせてみると、予定通り開催するのでどうぞいらしてください、と快く参加を受け入れてくれました。

 畑は、お店「キレドベジタブルアトリエ」から車で20分ほどの四街道市にあります。事前に連絡をもらっていた住所に向かうと、一見農家さんらしからぬ男性が畑に。その方こそが、農園の園主の栗田さんでした。

 「ここでは2700坪の畑に西洋野菜や沖縄原産の野菜など、めずらしい野菜を数多く栽培しています」とのこと。数列ずつ違う野菜が整然と並んでいます。


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左 :キレド栗田さんとフェンネル / 右 :フェンネルの収穫


 最初に案内してもらったのは、イタリア料理でよく使われる「フェンネル」。煮込み料理の材料として使ったことはありましたが、薄切りにして生のままサラダやカルパッチョに使ってもおいしいと、引き抜いたフェンネルの茎をカットして、味見をさせてくれました。アニスのような独特の香りがありますが、噛むうちに甘さが口に広がります。
 魚料理にも合うといい、中国名の「茴香(ういきょう)」は、腐った魚に使うと香りが回復するということから名づけられたそうで、その言われにも納得です。
 さらに、キレドのフェンネルは、茎だけでなく根もおいしく食べられるとのこと。デパートなどで販売されているフェンネルには根が付いていないので、根付きのものは初めて見ましたが、ゴボウそっくり。使い方も、ゴボウと同じように素揚げや炒めるとよいとのことでした。


tashiro_93_04.jpg 次はお隣にある「グリーンカリフラワー」。一般的なカリフラワーに比べ、黄緑がかった色をしています。カリフラワーといえば、小房に分けてさっとゆでてサラダなどで食べるのが一般的ですが、これも生食がおすすめとのこと。小房に分けたカリフラワーを薄くスライスすると、中の甘みが露出しておいしく食べられ、タコやチーズとの相性も良いそうです。あるいは、しっかりと炒め煮にしてから軽くつぶして、パスタソースにするのもおいしいとのことでした。
 栗田さん曰く、「3~4分という中途半端なゆで方が一番おいしくないのでやめてください」。今までの調理が何だったのかと、愕然としました。
 カリフラワーは、花蕾だけでなく葉もおいしく食べられるので、焼き色がつくぐらいしっかり炒めて食べるとよいそうです。
右 :グリーンカリフラワー


 次に案内されたのは、不思議な形をしたズッキーニ、「トランペットズッキーニ」。イタリアでは炒め煮にするのが一般的とのことですが、生でもおいしく、スライスや千切り、ダイスカットにしてサラダに使います。ソテーやグリル、揚げ物、煮込んでからミキサーにかけてスープにしても良い、万能の野菜です。


 美しい色の「コールラビ」もありました。コールラビとは、ドイツ語でキャベツを意味するコール、カブを意味するラビが表すように、カブのような形をしたキャベツの仲間。薄い緑色のコールラビは栽培したことがありましたが、今回見たのは紫色のパープルコールラビです。薄くスライスすると、紫色と中の白色のコントラストがきれいです。


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トランペットズッキーニ(左)とパープルコールラビ(右)


 これ以外にも、レモンのようなさわやかな香りのハーブ「レモンバーベナ」やブラジル原産のミニパプリカ「ピッキーニョ」、紫色のインゲン「レッドヌードル」など、ふだん店頭では見かけることのない野菜をたくさん見学させてもらいました。


 栗田さんによると、「生でおいしく食べられるよう、肥料を与えすぎないようにして、アクの少ない野菜を育てています」。また、私たちがふだん目にする野菜の一部だけでなく、実を食べる野菜であれば葉や茎、根を食べる野菜であれば茎やツルといった、野菜の一生すべてを見極めて、どこをどのように食べればおいしいかを考えながら、野菜を育てているとのことでした。
 持ち帰りたい野菜をほしいだけ収穫して購入できるので、むだなく料理が楽しめます。


 畑を楽しんだ後、アトリエで、畑の野菜をふんだんに使ったランチもいただきました。
 野菜が盛りだくさんのプレート「野菜たっぷりランチプレートもりもり」は、
・ズッキーニのスパニッシュオムレツ
・グリーンカリフラワーとズッキーニとりんごのオイルサーディンのマリネ
・肉団子とナス、フェンネルのトマト煮込み
・カボチャのつる、島インゲン、ささげ、島オクラの炒め
・グリーンサラダ+人参のドレッシング+ピッキーニョ
・バジルを練り込んだカンパーニュ
・3種のじゃがいものカレー
・バターナッツかぼちゃのポタージュ
と、メニューの名前の通り、もりもりの野菜が食べられます。


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「野菜たっぷりランチプレートもりもり」(左)と「野菜どっさりドリア」(右)


 色とりどりの野菜が乗ったドリア「野菜どっさりドリア」は、2種類のジャガイモ、ひもナス、紫ニンジン、トランペットズッキーニ、アイコがトッピングされたドリア。シンプルにグリルされた、野菜そのものの味を楽しめる料理でした。

 季節ごとに違った野菜に出会うことができるので、また別の季節に訪ねてみたい農園&レストランでした。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。


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