「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【81】
2020年10月16日
全国の農家から直接仕入れた野菜果物の料理とパフェが楽しめるカフェレストラン「cafe T」
東京都豊島区駒込にあるフレンチイタリアンの店「cafe T(カフェティー)」を訪ねました。野菜ソムリエ上級プロ(野菜ソムリエの最上級資格)のオーナーシェフが営む、カフェと料理が楽しめるお店です。
この店の魅力は、野菜ソムリエならではの目利きと人脈で仕入れる、旬の野菜・果物が味わえること。顔の分かる農家さんから直接仕入れる野菜や果物には、一般のお店ではなかなか見かけることのない希少なものが多いので、食べたことがない野菜・果物に出会うことができます。
フレンチやイタリアンの店で修業を重ねたシェフの作る野菜料理はもちろんですが、最近は、季節の果物を使ったパフェが人気です。ティータイムやディナータイムのコースのデザートとして供されるのは、茨城県産のイチゴ、宮崎県産のマンゴー、山形県産のサクランボや桃など。このフルーツパフェを楽しみにしているリピーターが多く、予約なしでは食べられないほど。
特に今年は、長雨や猛暑の影響で限られた数量しか仕入れのない果物があり、貴重な機会です。
今回私がいただいたのは、9月の「ぶどうパフェ」と10月の「桃のコース」です。
■9月のブドウ ~シェフの気まぐれマスカットパフェ~
お店のSNSで『山梨県甲州市からぶどう3種「ジュエルマスカット」、「ルビーマスカット」、「クイーンマスカット」を順番に納品いただきます。その名も「シェフの気まぐれマスカットパフェ」。どのぶどうかはご予約時にある程度お伝えしますが、シェフの気まぐれです。数量限定、完全予約です。お気をつけください。』という案内を見つけました。
初めて目にした「クイーンマスカット」というブドウを食べてみたくて、早速お店に連絡をしたところ、タイミングよくルビーマスカットが入荷しているとのこと。
この日はジュエルマスカット、ナガノパープル、クイーンマスカットの3種のブドウを使ったパフェでした。
ジュエルマスカットはシャインマスカットに似ていますが、シャインマスカットよりも皮が薄く甘みの強いブドウです。大粒のナガノパープルは甘みの強い黒ブドウ。渋みが少ないので、皮ごと食べても気になりません。そして、楽しみにしていたクイーンマスカットは、皮も果肉もほんのりピンク色の愛らしいブドウですが、食べるとシャインマスカットのような香りがあり、品のいい甘みがある、見た目と味のギャップが楽しいブドウでした。
甘さ控えめの生クリームやアイスクリームが、より一層ブドウの甘みを引き立てて、"大人の贅沢パフェ"を堪能しました。
■10月の桃 ~山形県産の桃、「西王母」のコース~
10月には、山形県産のめずらしい桃「西王母」を使ったコース料理が食べられると聞き、再度訪ねました。
「西王母」とは、中国で親しまれている長寿の神様で、『孫悟空』の物語にも登場する、位の高い女神の名前です。多くの伝説に桃とともに描かれ、西王母の桃といえば、不老長寿や魔よけの桃とされています。そんな西王母の名前が付けられたこの桃は、収穫が遅い晩成品種で、9月下旬頃に旬を迎えます。
栽培が難しく収量が少ないため、なかなか市場に出回らないという西王母をふんだんに使った今回のコース料理は、下記の4品。
どの料理にも、桃の優しい香りと口いっぱいに広がる果汁がそれぞれの食材とマッチしていて、一皿ごとに幸せを感じるひと時でした。
デザートのパフェには食用のバラの花びらがふんだんに使われていますが、これは、このお店のすぐ近くにある古河庭園の秋バラの見頃にあわせたもの。
来年はバラを見学したあとに、このパフェをいただきたいと思います。
cafe T (カフェティー) Facebook
住所 :東京都豊島区駒込2-7-15
たしろ ゆきこ
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。