提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜・果樹

在来品種の紹介【ウリ編】

2019年5月29日

在来品種が見直されています

 国産農産物の見直しは年々高まっています。そうした中で、各地に受け継がれている伝統野菜が、いま人気です。
 ここでは、在来品種として日本各地で栽培される「ウリ」を取り上げ、それぞれ特徴ある由来や栽培方法、食べ方、産地の動向などを紹介します。

高豆蒄うり


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高豆蒄(こうずく)うり(山形県川西町高豆蒄地区)

●特徴と由来
 「高豆蒄うり」は、山形県川西町の高豆蒄地区のみで作られている貴重な伝統野菜です。果実が成熟しても糖を蓄積せず、甘くならないメロン類の変種、シロウリの一種です。
 長さ15~25cm程度の俵型で形が良く肉厚です。肉質のしまりも良く、漬物にした時のパリパリとした食感が大きな特徴となっています。
 そのルーツをたどると、江戸時代後期の上杉鷹山公の時代にさかのぼるといわれ、産地特産品として、現在の川西町高豆蒄地区に奨励されたのがきっかけとされています。

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金糸瓜


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金糸瓜(きんしうり)(石川県七尾鹿島地区)

●特徴と由来
 19世紀末、中国から導入された「覚糸(かくし)うり」が「金糸うり」「そうめんうり」「なますうり」の名前で各地に散在して栽培され始めたと言われています。ウリ科カボチャ属ペポ種に属し、原産はアメリカ大陸です。学名:Cucurbita pepo L、英名:Spaghetti squash。長さ約20~30cmの長楕円形であり、果皮は鮮やかな黄色で、熟した果実を輪切りにしてゆでると果肉がほぐれて糸状になります。まるで手品のように楽しい野菜で、ほぐれた糸状の繊維はみずみずしく、シャキシャキとした食感があります。
 七尾鹿島地区でいつ頃から栽培が始まったか定かではありませんが、浄土真宗の重要な行事である報恩講料理(仏事料理)として古くから地域に定着しています。日本へは「明治後期か大正初期に中国から導入された」と農業技術体系に書かれています。今では、自家用野菜として広く栽培されており、平成19年には「能登野菜」の一つとして認定されています(能登野菜は16品目認定)。

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かりもり


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かりもり(愛知県尾張地方)

●特徴と由来
 「かりもり」は尾張地方に古くから在来する漬物用のシロウリ品種(漬瓜)で、7月から8月に収穫される夏野菜です。果実は俵型、果皮は緑色で果肉は緑色を帯びた白色です。果肉がよくしまり厚いことから、漬物に加工した時のかりっと歯切れのよい食感が特徴です。現在は主に丹羽郡大口町や清須市で生産されており、県で認定する「あいちの伝統野菜」にも選定されています。
 来歴は不明ですが、明治末期には現在の名古屋市を中心に栽培されていました。昭和に入り、産地は尾張北西部に広がり、漬物業者との契約栽培が行われるようになりました。
 大口町では、昭和40年頃から水田や桑畑を開墾した畑で作付けが始まり、町内のやや粘質な土壌が栽培に適していたことから、盛んに栽培されるようになりました。

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服部越瓜


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服部越瓜(はっとりしろうり)(大阪府高槻市塚脇地区)

●特徴と由来
 「服部越瓜」は高槻市塚脇地区周辺(旧服部村)で栽培され、播種は4月20日頃、7月初旬から8月末まで出荷されます。果実は薄緑色で淡い白縞があり、頂部が細くくびれているのが特徴で、長さ約30~40cm、重さ約700~800gに生長し、食べると爽やかな歯ごたえがあり、シャキシャキとした食感が人気です。
 採れたての「服部越瓜」が地元の朝市で販売されるほか、酒どころとして知られる同市富田(とんだ)地区の酒粕を使った粕漬けなどに加工されます。
 江戸時代には、徳川家康がこの地を通った際に食し、その味を賞賛して幕府献上品となり、その名は全国に知れ渡りました。天保14年(1843年)の服部村明細帳には、「服部越瓜」は「富田で造られる粕漬けに専ら使用される」と記載されています。
 平成17年度からは、100年以上前から栽培されてきた大阪独自の品種として「なにわの伝統野菜」に認証されています。

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カワズウリ


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カワズウリ(福井県福井市周辺)

●特徴と由来
 1998年に発刊された「福井の伝統野菜」(ふるさと野菜の会編集・福井新聞社発行)によると、「カワズウリ」が生まれたのは昭和の時代に入ってからとされています。
 来歴をたどると、朝鮮半島から中国華北由来で、福井在来の「カタウリ」と交雑して育成されたと考えられます。
 発祥は福井市西側に位置する東安居(ひがしあご)地区でしたが、その後周辺地区に広がったようです。
 昭和20年代に入ると、市内の田原町市場(福井市中央卸売市場の前身)に出荷されるようになりました。
 「カワズウリ」は白ウリの系統に分類されています。主に漬物用に利用され、「カワズウリ」と「本カワズウリ」があります。
 このウリの特徴は、表面が淡緑色の肌にカエルの背中のような濃緑色の模様があることで、福井のカエルの方言を付して「ギャルウリ」とも呼ばれています。
 カワズウリは、表面の盛り上がりが少なく枕形になる「カワズウリ」と、果実表面がでこぼこして全体が楔形になる「本カワズウリ」があり、肉質はきめがこまかく、食味は極上とされます。

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青しまうり


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青しまうり(佐賀県多久市)

●特徴
 本品種は青大縞瓜とマクワウリの自然交雑種で、多久市を中心に長年栽培されています。果実はやや短形で丸みを帯び、長さ20cmm、重さ0.6~1kg程度で、果皮は灰緑色で、やや濃い銀色の幅広い明瞭な縞模様をしています。果肉は黄緑色で厚く緻密であり、漬物加工に適した品種です。

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