提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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雑穀・山菜・その他

フキ栽培

由来と特徴

●フキは、キク科フキ属に分類される多年草です。
●原産地は日本で北海道から沖縄までみられ、樺太や朝鮮半島、中国大陸の一部にもみられますが、食用としては日本ほど利用されていません。
●フキは、雌株と雄株がある雌雄異株です。花の形がやや異なり、雄株がやや早く開花します。
●雌株雄株はどちらも同じように使用できます。


 :水ぶき雌株 /  :水ぶき雄株

種株の準備

●フキは、栄養繁殖性(※)の作物です。
●3~4月の萌芽直前か、6月の収穫後の雨が多い時期に、充実した地下茎を掘り上げます。
●掘り上げた根株から、生育の良い地下茎が10数本程度確保できます。
●10a当たり約500~600株を用意します。



栄養繁殖
根・茎・葉などの栄養器官から、次世代の植物が繁殖するもの。

種株の調整

●充実した地下茎を約20cmに調整します。
●乾燥に弱いので、ぬらした麻袋や新聞紙で包み、なるべく掘り上げたその日に調整して、植え付けます。

定植

●土壌改良材、堆肥は、2週間以上前に施用、耕うんします。
●根やけ防止のため、化成肥料は活着後に追肥します。
●畦間60~70cmで植え溝を作り、株間30cmに定植します。10a当たり5000~6000株になります。

かん水

●植え付け後は、葉柄が萌芽し、2本くらいになるまで十分かん水します。

定植後の管理

「定植1年目」
●萌芽前株には、6月下旬~7月上旬(夏肥)と、8月下旬~9月上旬(秋肥)に、10aあたり窒素・リン酸・カリ成分8kgを施用します。



「定植2年目以降」
●2年目以降の施肥管理は以下の通りです。
・元肥 :2~3月に、10aあたり窒素・リン酸・カリ成分10~15kgを施用します
・追肥 :葉柄収穫後4~6月、8~9月に、10aあたり窒素・リン酸・カリ成分10kgを施用します。

収穫

「フキノトウ」
●春に定植すると翌年の春にはフキノトウが収穫できます。
●汚れないように、天気の良い日に収穫します。
●日陰で乾かし、刷毛で土を落とします。
 
●新聞紙を被せ、日陰に置いておくと数日間は出荷できます。
●汚れたり枯れている苞を数枚むき、カッターで切り口を切り直します。



「葉柄」
●葉柄は、定植2年目の4~5月から収穫できます。
●生長が早いので、とり遅れないように注意します。
●収穫は早朝に地際から刈り取ります。


葉柄


収穫道具 左から(鎌、ウド突き)と 調整道具(カッター、刷毛、芽切り鋏)

病虫害

「病害」
●フキ斑点病


●白絹病 :高温多湿性病害で、夏に多発します。


●半身萎凋病
バーティシリウム菌により発病し、発病株は種茎としても使えなくなります。多くの作物に寄生するため前作の発病に注意し、発病地への作付けを避けます。

「虫害」
●フキノメイガ : 6月頃から発生します

 :フキノメイガ /  :フキノメイガによる食害

執筆者 
石澤 昌彦
群馬県農業技術センター 中山間地園芸研究センター
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

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