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喜界島のゴマの栽培

概要

「由来と特徴」
●喜界島では古くからゴマが栽培されてきました。
●19世紀中頃の「南島雑話」には、奄美大島でゴマがお菓子に使われていたとありますが、喜界島のゴマであるかははっきりしません。
●明治42年の農業統計書には、奄美群島と十島村の収穫高の中で、喜界島産が全体の65%を占めるほど盛んだったと記されており、100年以上の歴史があることは確かなようです。
●さとうきびの栽培が盛んな喜界島では、ゴマは、夏植えさとうきびの前作として栽培されています。

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 :ゴマの花 /  :ゴマの莢(さや)

「栽培の特徴」
●栽培が簡単で、病害虫の発生が比較的少なめです。
●無農薬栽培を基本としています。
●播種から収穫まで、およそ90~100日で、短期間で収穫できます。
●台風には弱く、倒伏により大きな被害を受けることがあります。
●平均単収は60kg/10a程度です。

「利用法」
●喜界島のゴマは、島外の実需者に出荷しています。
●島内でも加工品を作っており、ゴマドレッシング、すりごま、いりごま、ゴマを砂糖とからめた豆菓子などが販売されています。

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ゴマを使った加工品

品種と種子の入手方法

●喜界島の栽培品種は、在来の白ごまで、自家採種されています。
●採種をする場合には、分枝が多いものなどを選抜しています。

栽培

「播種前の準備」
●播種前に、耕起、整地を十分に行います。
●施肥は追肥を少なめとし、基肥を重点的に行います。
●10a当たり堆肥2t、チッソ5kg、リン酸10kg、カリ8kgを目安に与えます。
●喜界島では、さとうきび肥料を利用している農家が多いです。

「播種」
●ばら播きが主体ですが、近年は、手押し式やトラクター装着式の播種機を利用した条播きもされるようになってきました。
●ばら播きに使う種子は約500g/10aで、条播きの場合は約300g/10aです。

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 :条まき栽培 /  :ばら播き栽培

「管理作業」
●管理作業は少なく、除草と本葉2枚時に、10~15cm間隔になるよう間引きをする程度です。

「収穫」
●収穫適期は、下方の朔果が黄色~褐色化し、2~3個裂開し始めた時です。
●収穫作業は、鎌等で収穫し人力で結束する方法と、水稲のバインダーを利用する方法(写真下)があります。

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●収穫後は、束ねて圃場や軒先で穂先を上にして立て、鞘が茶色になるまで乾燥させます。
●乾燥期間は、1週間から10日間です。
●その後、棒などで叩いて脱穀しますが、脱穀は基本的に2回行います。
●7~8割程度茶色になった段階で1回目の脱穀を行い、その後5日程度してから、2回目の脱穀を行います。

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乾燥の様子

「調製」
●異物(殻や砂)などを取り除く選別を行います。唐箕などを使いますが、道具は栽培者個々で工夫しています。
●その後2~3日、天日干しをして、十分に乾燥させます。

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天日干しの様子

執筆者 
鳥居 裕一
鹿児島県大島支庁農政普及課喜界町駐在 
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

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