土づくり編(1) 堆肥散布作業
土づくりの基本は堆肥
●土づくりの基本に堆肥、堆厩肥散布があります。
●実際の農業現場では、堆肥と堆厩肥を区別することは少ないようですが、堆肥の中で家畜(牛、豚、鶏)の糞尿と敷料(稲藁、おがくず等)を混合腐熟させたものを、堆厩肥と呼んでいます。
●敷料を混ぜずに家畜の糞尿を発酵させたものを、スラリーと呼んでいます。
堆肥散布にはマニュアスプレッダ
●堆肥を散布する機械はいくつかありますが、代表的なものがマニュアスプレッダです。
●マニュアスプレッダは、けん引式、自走式、搭載式に分類されます。
「けん引式」
●けん引式は、トラクタにトレーラーとして装着して使用します。
●トラクタでけん引するので、広いほ場で効率的に散布できます。
●堆肥積載量は小型で1,000kg程度、大型では5,000kg以上のものもあります。
けん引式マニュアスプレッダ
「自走式」
●自走式は、クローラ式や車輪式の運搬車をベースにしたマニュアスプレッダで、施設内などのトラクタけん引が困難な場所での作業に適しています。
●堆肥積載量は500kg~5,000kgまでありますが、1,000kg程度が主流です。
●堆肥積み込み機能を装備したものや、バッグ入りの堆肥を積み込むクレーンを装備したものもあります。
左から上から 自走式マニュアスプレッダ / 小型自走式マニュアスプレッダ
「搭載式」
●搭載式は、トラックの荷台にマニュアスプレッダを載せる方式で、堆肥散布用の小型エンジンを搭載しています。
●堆肥積載量は500kgから3,000kg程度まであります。
●堆肥センターからほ場までが遠い場合に有効です。
●搭載するトラックでほ場に乗り入れ散布するので、4輪駆動車を用いることが多いです。
搭載式マニュアスプレッダ
「散布作業」
●堆肥の散布方法は、積み込んだ堆肥を、荷台床面のコンベヤ(ほとんどがバーコンベヤ)で少しずつ後方へ送り、最後部にあるビーターと呼ばれる回転散布装置で堆肥を散布します。
●作業速度とコンベヤの送り速度で散布量の調整を行います。
●ビーターの角度調節で散布幅の調整ができる機種もあります。
「注意点」
●けん引式、搭載式や車輪自走式の場合、耕うん直後の膨軟なほ場では、堆肥の重みで車輪が埋まってしまうことがあります。
●水分を多く含んだ堆肥を積み込みすぎると、コンベアで送ることができない場合があるので注意が必要です。
●その他、トラクタの3点リンクに装着する、バケット状の簡易な堆肥散布機があります。200~500kg程度の堆肥を積み込み、散布できます。
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