提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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スマート農業編 農場管理-生産管理システムの活用-

農場管理の考え方

●農場管理は、土地・労働・資本の経営資源を最適化し、経営目標を達成するために必要となります。
●最近では、圃場情報・作業情報・生産情報を一元管理できる生産管理システムが使用されています。
●クラウドサービスに対応する農業機械や各種センサーとのデータ連携も可能で、様々なデータを可視化し共有できる点です。

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 生産管理システム(KSAS)のトップ画面(左PC版、右スマホ版)

生産管理システムの基本的な機能

●生産管理システムは、圃場情報、作業情報、生産情報等を連結させて一元管理できる電子式作業日誌です。

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 スマホやPCによる作業データの打ち込み(左)とシステム担当者による一括入力


●圃場情報は、地番・地目、面積(台帳面積、作付け面積)、土質、暗渠の有無、所有区分(賃借料、請負項目・作業量・単価・金額)などが記録できます。

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 生産管理システム(KSAS)の圃場情報画面((株)紅梅夢ファームでの導入事例)


●作業情報は、作業者ごとに日々の作業項目、作業時間(開始と終了時刻)、使用機械(稼働時間を含む)、作業圃場名に加えて、作業内容についてのメモや写真を添付することも可能です。

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 画面生産管理システム(KSAS)の作業情報画面((株)紅梅夢ファームでの導入事例)


●生産情報は、作物名(品種を含む)、農薬・肥料の種類や投入量、一部の農業機械で取得できる推定収量や食味(タンパク)など、圃場情報と紐づけて地図上で可視化することができます。

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 生産管理システム(KSAS)の生産情報画面((株)紅梅夢ファームでの導入事例)


●システムを利用するにあたっては、出勤や退社時間のタイムカード方式でログインするため、従業員ごとやオペレーター作業別の勤務時間管理にも活用できます。

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 生産管理システム(KSAS)の勤務時間データ出力((株)紅梅夢ファームの導入事例)


●各情報は、作業者別や農業機械別に作業時間が積算されたデータとして出力されため、年次ごとのデータ比較や当該年度の作業を振り返ることで、経営改善につながる情報を得ることができます。

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 生産管理システム(KSAS)の作業者別作業時間の画面((株)紅梅夢ファームの導入事例)

データ活用

●生産管理システムに蓄積したデータは、年次・月次・日時の作業スケジュールボードと併用することで、次年度の作業計画を立案する際の基準として活用することができます。

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 年間スケジュールボード((株)紅梅夢ファームの導入事例)


●従業員に対して具体的なデータを示すことで、作業の進捗状況を共有することが可能になり、結果として経営改善を行いやすくなります。

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 圃場の確認と作業指示((株)紅梅夢ファーム)

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 圃場地図の確認((株)紅梅夢ファーム)

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 タブレットを用いた作業進捗状況の確認((株)紅梅夢ファーム)


●生産管理システムを導入する際には、データ入力のルールづくりや蓄積したデータの活用について、事前に従事者同士が適宜話し合うことが経営目標を設定する上でも重要です。

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 従事者同士の話し合い((株)紅梅夢ファームでの導入事例)

執筆者
安江紘幸
農研機構東北農業研究センター