今月の農作業(2月)
立春を迎えて
立春を迎える頃には、寒さの底は脱しますが、まだまだ寒い日が続きます。
関東以西、太平洋側の平野部の日差しは強くなっていますが、気温が低いため、冬を越した野菜の収穫や管理、春野菜のタネまきや植え付けの準備が主な作業になります。
冬野菜のおいしいうちに収穫しましょう
地温が上昇すると根の伸長も始まり、根からの吸水も多くなります。
葉も立ち上がり、成長を開始します。
それと同時に、冬場に蓄えられた栄養分や甘味も少なくなり、冬野菜特有のおいしさもなくなります。
冬野菜は早めの収穫を心がけましょう。
とう立ち(抽だい)しないうちに収穫しましょう
ダイコンやハクサイ、コマツナ等のアブラナ科野菜、ニンジン、ネギ等の多くの野菜は、冬の低温に感応して花芽が形成されています。
春になると日長も長くなり、気温も上昇します。それに伴い花茎も伸びて、とう立ちしますので、遅れないうちに収穫しましょう。
ジャガイモの植付け準備
ジャガイモの生育適温は15~20℃と、冷涼な気候を好みます。
ただし、あまり早植えすると、地表に出た芽が、霜の被害を受けやすくなります。
逆に植付けが遅れると、生育途中で梅雨に入り、疫病の被害を受けやすくなります。
(1)品種
いろいろな品種がありますが、主な品種は下記のとおりです。
(2)種イモの催芽(芽出し)
浴光催芽を行うと、充実した緑色の芽になり、生育が揃います。
植え付け20日前を目安に、芽の長さが5~10mmになるように浴光催芽を始めます。
温度管理は日中15~20℃、夜間は凍らないようにします。
地面を床にする場合はビニルなどを敷いて、その上に種イモを並べます。日光がまんべんなく当たるように時々向きを変えます。
植付けの2~3日前には種イモを切断して、切り口を乾かしておきます。
▼「ジャガイモ」 栽培についての詳細はこちら
ミニ情報
【1年間の気象データから見た野菜栽培】
各地の地方気象台では平年の気象データが作成されています。
露地栽培の野菜の作付けは気温に左右されます。冬は気温や地温が低く、タネまきや定植は不可能です。
葉茎菜類の多くは生育適温が15~20℃と低いため、3月に入るとタネまきが始まります。
果菜類やスイートコーン等は生育適温が25~30℃と高く、凍霜害にも弱いため、晩霜の心配がなくなってからの定植になります。また、強い光を好むため栽培適期は春~夏になります。
データ提供:EOM株式会社
(クリックで拡大します)
冬といえども日射量が比較的多いため、マルチやトンネルをかけて保温すると葉菜類の作付けは可能です。
また、果菜類やスイートコーン栽培においてもトンネルを被覆して、保温を行ない、凍霜害の対策をとると、約半月程の作期前進が可能です。
初夏どりネギ、春どりレタスのトンネル栽培風景(茨城県坂東市)