今月の農作業(1月)
冬来たりなば春遠からじ
菜園の野菜も少なくなり、畑に行くことも少なくなりがちですが、一方で、寒くても季節は確実に進んでいます。「冬来たりなば春遠からじ」です。
新年を迎え、今月から春~夏野菜の栽培に向けた準備を始めましょう。
菜園の作付計画を立てましょう
この1年を春~夏、秋~冬、周年に分けて、「栽培ごよみ」を参考に各野菜の作付計画を立てましょう。
春~夏は、生育適温が高めで強い光を好むナス科、ウリ科、イネ科等の野菜が中心になり、秋~冬は、アブラナ科やキク科、セリ科、ヒユ科等の葉根菜類が中心になります。根深ネギ、ショウガ、サトイモ等は、生育が春~秋の周年になります。また、畑での生育期間が秋~冬になる葉根菜類もあります。
同じ科の野菜を同じ場所に続けて栽培すると共通の土壌病害虫の発生が助長されます。計画を立てる際には、各科の野菜を組み合わせた輪作を心がけましょう。
イネ科のスイートコーン、ヒユ科のホウレンソウ、キク科のシュンギク等は輪作の中に取り入れて欲しい品目です。
▼「スイートコーンの作り方」はこちら
▼「ホウレンソウの作り方」はこちら
▼「シュンギクの作り方」はこちら
土壌病害虫の発生に注意
狭い家庭菜園では、同じ場所に同じ野菜を栽培する頻度が高まり、連作障害が出やすくなります。連作障害の多くは土壌病害虫によるものです。
病原菌等は、土壌中に長年留まるため、ひとたび発生すると栽培間隔を数年置いて栽培しても再び発生します。そのような場合は、輪作による土壌病害虫の防除は難しいため、殺虫、殺菌を目的にした土壌消毒剤による防除が必要になります。
「土壌病害虫の発生例」
(1)土壌センチュウ類
キュウリやニンジン等では、ネコブセンチュウによる被害がよく見られます。
(トマト、ナスでは、抵抗性を有する台木に接ぎ木をした苗を用いると被害を防止できます。)
その他、ダイコンではネグサレセンチュウ、エダマメではシストセンチュウが長年栽培すると発生しやすくなります。
キュウリ根部のセンチュウ被害(提供:梶原敏宏氏)
(2)ネコブ病
アブラナ科野菜特有の病気です。
キャベツ、ハクサイでは抵抗性品種が育成されていますが、気温や圃場条件(酸性土壌、排水の悪い圃場、菌密度の高い圃場)により発生することがあります。
(3)紅色根腐病
ネギを引き抜いて、根の部分を見ると赤紫色に変色している根があることがあります。株が枯れる程の深刻な被害にはなりませんが、生育への影響は避けられません。タマネギやメロンやトマト等でも発生している例があります。
土づくり
腐葉土やバーク堆肥、熔成リン肥(ヨウリン)等の土壌改良材は、冬のうちに施用して土壌になじませておきます。
年1回の施用でも効果が持続しますので毎作ごとの施用は不要です。ただし、家畜糞主体の堆肥やぼかし肥は、肥料としての性質が強いため、作付する前の7~10日前に施用します(低温期は14~20日前に施用)。
土壌の酸度(pH)矯正を目的とした石灰資材の施用は、野菜の種類により適正酸度が異なりますので、それぞれの野菜に応じて作付前に施用量を加減します。
長年にわたり野菜を栽培している菜園では、石灰やリン酸が過剰に蓄積されている例があります。酸性土壌、リン酸欠乏に弱いホウレンソウ、ネギ、レタス等が正常に生育する菜園では、様子を見ながら石灰やリン酸の施用量を減らしましょう。
▼「土づくり」についての詳細はこちら
ミニ情報
堆肥や肥料、農薬(粉剤、粒剤)を土壌に均一に混和するためには、ロータリー耕うんが最適で省力になります。
ここでは軽量で操作しやすいミニ耕うん機をご紹介します。
「ミディStyle(ミディスタイル) TMS30」 (株式会社クボタ)
(平成25年1月1日発売)
「ミディStyle(ミディスタイル) TMS30の主な特徴」
●出力アップとロータの改良による耕うん性能の進化
新エンジンの採用により、最大出力を従来機の2.4馬力から2.7馬力にアップし、さらに力強く耕うんできるようになりました。
従来機の「楽ラク耕うんロータ」を改良し、耕す幅と深さをアップさせました。推進力が高く安定感があるため、初めて扱う方でも楽に耕うん作業が行えます。
●うね立て性能の向上
クボタ独自の「簡単うね立てマット」を、本体と一体式にすることで着脱が不要になり、簡単に作業を始められるようになりました。
●操作性と扱いやすさの向上
「簡単うね立てマット」と一体式の移動車輪を標準装備とすることで、畑までの移動がスムーズに行えます。
新しい旋回機構により、ターンした後も左右のロータ位置が定位置に戻り、常に安定した耕うんができます。
ハンドルはコンパクトに折りたためるため、車に積み込むことができます。また、作業に合わせた上下・左右の角度調整が可能です。
▼ミニ耕うん機についてはこちら(菜園倶楽部ホームページ)