今月の農作業(12月)
本格的な寒さの前に防霜・防寒対策を
気温の低下と共に生育にブレーキがかかります。まだ、菜園に残っている野菜は収穫を急ぐか、残るものには寒さ対策が必要です。
防霜・防寒対策には、葉の結束(ハクサイ)、株元への土寄せ(ダイコン、ニンジン)、被覆資材等による防霜・保温(主に葉茎菜)などがあります。
先人の知恵で葉の付いた竹を挿して、軽い霜除け、風除けを行なっている例もあります(写真)。
「べたがけ」資材の被覆
(1)ホウレンソウ、コマツナでの被覆
いずれも耐寒性が強い作物ですが、生育が遅れている場合は、不織布を「直がけ」して生育の促進を図りましょう。不織布は、株の伸長を考慮して、たるませてかけるようにします。
収穫期に近づいたら日中は被覆を外して、直射日光を十分に当てましょう。
(2)ブロッコリーでの被覆
晩生種の収穫はこれからです。寒さで葉が傷まないよう、また、鳥(ヒヨドリ等)の食害を防ぐためにも、不織布、または寒冷紗の「浮きがけ」を行ないましょう。
キャベツ、ハクサイなどでも同様の対策をおこないます。
(3)レタスでの被覆
玉レタスは、不織布のべたがけをしても、凍結による腐敗を防ぐことは困難です。
リーフレタスは、玉レタスよりも耐寒性が強いので、外側の葉をむく程度で年内までの収穫は可能です。
(4)サヤエンドウでの被覆
寒冷紗の被覆は防霜効果があり、寒さによる生育不良や欠株も少なく、生育も揃います。スナップエンドウ、ソラマメでも同様の効果があります。
ニンジン・ダイコンの土寄せ
根の肩部が露出していると寒さで凍り傷みます。
3月まで収穫する場合は、株元に軽く土寄せをします。
ダイコンは凍結すると表皮が剥離するので、株元に土寄せを行ないます。または、抜き取ったダイコンの葉を10cm位残して、穴を掘ったところに縦に並べて土をかけて貯蔵します。丸ダイコンやカブでは厳寒期に凍結して割れることもあります。
▼「ニンジン」 栽培についての詳細はこちら
▼「ダイコン」 栽培についての詳細はこちら
ミニ情報
【「べたがけ」資材の特徴と使用法】
「べたがけ」資材は、軽い保温性、通気性、透光性、透水性があり、軽くて取扱いやすいため、発芽促進、生育促進、凍霜害防止、防風、防虫、防鳥、遮光、品質向上等を目的に幅広く利用されています。
主な資材は表のとおりです。
種類により素材が異なり、保温性、耐候性(丈夫さ)、耐用年数等に違いがあり、価格も異なります。
主なべたがけ資材の種類と特性
被覆方法には、軽さを生かした直がけ、浮きがけ等があります。
被覆前には病害虫の防除、除草を行ないます。
左上 :直がけ(長繊維不織布)
右下 :浮きがけ(寒冷紗)
左上 :浮きがけ(割繊維不織布)
右下 :トンネルがけ(寒冷紗)