提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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今月の農作業

今月の農作業(11月)

初霜の時節になりました

201311kongetsu_betagake.jpg 初霜の時節となり、凍害をうけやすいショウガやサトイモ、サツマイモの掘り取りが急ピッチで進んでいます。また、月末になると不織布のべたがけ、寒冷紗や有孔ビニルフィルムのトンネルによる防霜、防寒対策も行われます。
 一方で、葉茎菜類、根菜類を中心とした収穫本番を迎えます。  

収穫期の目安

 市場に出回る野菜は、「青果物標準野菜出荷規格」に基づき、商品としての形状や品質等を統一しています。
 自家用の野菜は、いつでも必要な時に収穫していると思いますが、参考までに一般的な目安を紹介します。

(1)レタス類
 おもに玉レタスとリーフレタスが栽培されています。
 市場流通量は玉レタスが8割以上を占めており、「レタス」と云えば、玉レタスを指しています。
①玉レタス
 結球が八分程の若どりをします。取り遅れの老化玉に比較して、ビタミンCや糖分も多く、食感も優れています。
 切り口を親指で押して、芯を抜くと結球した葉がほぐれます。
 リーフレタスよりも収穫が10日ほど遅く、結球すると寒さに弱く、凍ると傷みが発生します。
②リーフレタス
 サニーレタスとグリーンレタスに大別されますが、両者は市場で取り扱う際の商品名になっています。
 サニーレタスの赤色はアントシアニン系色素で、昼夜の温度較差、気温の低下により際立ってきます。草丈が21~23cmの手の平サイズで、外葉と内葉が平らにそろったら収穫します。

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(2)ホウレンソウ、コマツナ
 草丈が20cmを超えた頃が収穫期で、24~25cmが適期です。
 生育が不ぞろいの場合は、伸びた株から順次引き抜き、根を切り落とします。

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収穫期のコマツナ

(3)ブロッコリー
 頂花蕾の直径が12~15cm位で、小花がきっちりとしまったものを開花前に収穫します。その後、側花蕾を順次収穫します。  ドーム型でボリュームのある頂花蕾が良品です。

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(4)根深ネギ
 軟白部(葉鞘部)の長さ(30cm以上)、太さ(2cm前後)、しまり具合を確認して順次収穫します。  

収穫時の観察

 収穫物の生理障害や病害虫の発生状況などの有無を確認することは、次作に向けた対策ともなります。収穫した野菜はよく観察してみるとよいでしょう。

マルチ麦のタネまき

 収穫が終わり裸地となった場所には、ライ麦、燕麦などの麦を播きましょう。

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地表を覆うマルチ麦(4月)

 タネまきの方法は、「すじまき」と「バラまき」があります。
 すじまきは、20~30cm間隔ですじを作り、タネをまいた後に覆土をします。
 バラまきは、タネをバラまきした後に土壌を浅くかくはんして、タネが見えないようにします。
 春に果菜類等を作付する場所には、タネをまかずに空けておきます。
 発芽までに20日程度かかりますが、下記のような効果が期待できます。

①麦が地表を覆い、雑草の発生が抑えられます。
②麦の根が深く張り、土壌が膨軟になる深耕効果も期待できます。
③余剰な肥料や病害虫密度を下げるクリーニングクロップとしての働きもします。
④春野菜の定植前には、青刈りしますが、麦稈はマルチにも利用できます。
⑤アブラムシを補食するテントウムシやクサカゲロウのすみかともなります。

ミニ情報

【低温性野菜の耐寒性】
 生育適温が10℃~20℃の低温性野菜においても、耐寒性は品目により異なります。
 耐寒性の強い品目は冬でも生育を続け、弱い品目は茎葉が枯れてしまいます。

 表1 低温性野菜の耐寒性の強弱
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 2019年の秋は温暖・湿潤な気候で野菜の生育も早まりました。耐寒性が備わっていない状況で11月29日と30日両日の最低気温が-1.2℃、−2.0と突然氷点下になりました。そのような状況で菜園の野菜に表2のような影響がでました。

 表2 凍霜害による葉枯れ症状の程度
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