提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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今月の農作業

今月の農作業(9月)

9月は作業の繁忙期

 9月は、葉菜・根菜類のタネまき、育苗・植え付け、間引き、追肥・土寄せ等の作業が並行的に行われ、繁忙期を迎えます。
 適度な降雨があると秋野菜の植付けも順調に進みます。植え付けの際には高畝にして湿害を防ぎましょう。
 秋冷が早く来た場合は、十分な生育量が得られなくなります。タネまきや植え付けが遅れないようにしましょう。
 また、8~9月の高温・乾燥期には、コマツナ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜は、ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)による食害を受けやすいため、早めの防除を行ないます。  

台風に備える

 タネまきや苗の植付けに際し、適度な降雨は"恵みの雨"となる一方、秋雨前線に伴う長雨、台風は農作物の作況に大きく影響します。
 台風が発生したら進路を注視し、被害軽減を図りましょう。

①可能であれば菜園を囲むように防風ネットをはる
②タネまき、植付け間もない野菜には寒冷紗やネットを直掛けして保護する
③生育中のブロッコリー、キャベツ、ネギなどは株元に土寄せを行なう
④風で傷付きやすいナス、ピーマン、キュウリなどの果実は小さくても早めに収穫する。また、株にネットを掛けて押さえる
⑤台風通過後には株の倒伏、茎葉の損傷、細菌性病気の誘発などがあり、早目に殺菌剤を散布する  

タネまき

 秋どりホウレンソウ、コマツナ等のタネまきが本格化します。
 暑さが続いている場合は、軟弱な生育をするホウレンソウ、コマツナ等は、タネまき後に遮光ネット(遮光率30~40%)をトンネル状に被覆して、裾を10cm程開けます(虫よけを兼ねる場合には、下(地面)までネットをかけます)。
 ネットを張ったままだと徒長しやすくなるため、本葉が4~5枚になったら取り除きます。

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 ホウレンソウは、特に暑さに弱いため涼しくなるのを待ってタネをまきます。
 春どりキャベツのタネまきは9月下旬~10月上旬に行います。  

植付け

 レタス、ブロッコリーの苗は、本葉が4~5枚に育った頃が植付け適期です。
 ブロッコリーは畦幅60cmの畦を立て、株間45cmに植付けます。
 株が大きくなる晩生種は畦幅、株間を広く取ります。
 レタスは、株元への土の付着、病害防除、生育促進のためポリマルチを張り、植付けます。
 気温の高い時期は、白黒ダブルマルチ(表面が白、裏が黒)、定植時の気温が下がるにつれて、黒色、透明マルチを使い分ける方法もあります。

間引き

 すじまきをしたホウレンソウ、コマツナは、徒長を防止し、生育を揃えるため、発芽後に密生している株を間引き、本葉2~3枚の頃に株間3~4cmにします。

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 ニンジンは、本葉2~3枚の頃に株間3~4cm間隔に間引きます。  本葉5~6枚の頃に最終的な間引きを行い、株間10~12cmにします。このとき、子葉が大きく正常な形で胚軸が太く、直立した株を残すようにします。

追肥と土寄せ

 ブロッコリー、ハクサイ、キャベツ等は株が成長したら畦間の土をクワで株元に寄せます(土寄せ)。
 土寄せすることで株元が固定されるとともに根圏が拡がります。また、土壌の通気性や排水もよくなり、除草にもなります。

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 株が大きく育った状態での土寄せは根を切断、葉を傷つけることになるので逆効果です。
 土寄せ前に追肥を行ないます。

ミニ情報

【葉菜類の「直(じか)まき」と「移植」栽培の特徴】 
 葉菜類の栽培方法には、主に栽培ほ場に直接タネをまいて育てる「じかまき」と育苗床やポットで育てた苗を植付ける「移植」の方法があります。
 近年、コマツナなどの小さなタネを一粒ずつ等間隔に播種ができる高精度な播種機が普及しています。一方、セルトレイを利用した大量育苗法と移植機の利用も普及しています。

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●じかまきの特徴
 ①育苗や植付け作業がなく、省力になる。
 ②発芽から幼苗期に病害虫や乾燥、風水害の気象災害を受けるリスクが高い。
 ③多くの種子を密にまき、播種から収穫までの生育期間の短いものが多い。

●移植の特徴
 ①育苗資材や場所の確保や育苗時のかん水、植付けなどの作業が必要である。
 ②育苗により、大切な幼苗期を病害虫や気象災害から守ることができる。
 ③幼苗期を苗床で経過することによって、本畑で栽培する期間を短縮できるので、本畑の利用(回転)率を高めることができる。
 ④果菜類は移植が一般的。葉物でも播種から収穫までの期間が長く、疎植のものは、移植栽培が多い。

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