ハーブ栽培の基本(家庭菜園向け)
はじめに
近年、ハーブ類に関心が集まり、畑やプランター、鉢などを利用したハーブ作りが盛んになってきました。
ハーブ類は、温帯に住む私たちの身のまわりにあって、古くから日々の暮らしの中で人々がさまざまに使いこなしてきた野草です。
使用するのは主にやわらかな花、葉、茎などです。芳香のあるものがほとんどで、地中海沿岸地域を原産とするものが多くなっています。
欧米からやってきたものの中から、つくりやすい7種のハーブを選んでとりあげました。
● コリアンダー (セリ科)
● スイートバジル (シソ科)
● タイム (シソ科)
● ミント類 (シソ科)
● ラベンダー (シソ科)
● レモンバーム・メリッサ (シソ科)
● ローズマリー (シソ科)
ここでは、これらのハーブに共通する栽培方法について紹介します。
土づくり
根の発育をよくするには、空気と養分と湿度を適度に蓄え、雨後の過剰な水分は速やかに排出してくれる土が適しています。
畑の場合は、1㎡当たり堆肥か腐葉土1~2kg、石灰質肥料(かきがら石灰で200g)、元肥(8-8-8の有機質肥料で、80~100g)を施し、なるべく深くまぜ込みます。
標準プランターを使用する場合は、野菜培養土(堆肥、pH調整済、元肥含む)を使用します。
タネまき
タネは、適度な温度、水分、空気の三つがそろって発芽します。
(1)温度は、八重桜の咲くころが目安です。この時期は地温が20℃前後に安定して、発芽しやすい条件となります。
(2)水分は種皮をやわらかくし、発芽するための始動を起こさせます。
(3)空気は、発芽するために必要なことは言うまでもありません。
●栽培に適した環境
●まき方
①ばらまき、すじまき、点まきなど、タネの大きさ、種類にあわせてタネまきをします。
②タネまきが終わったら、目の細かいジョウロで鉢底から流れるほどたっぷりとかん水します。タネが小さい場合は、鉢底から吸水させます。
●間引き
密生して発芽した苗は、葉の触れ合う時期に2~3回ほど順次間引きます。
最初はかいわれ葉の出たころ、次は本葉が2~3枚のころ、さらに本葉が4~5枚になったころに、株間を確保するように、生育不良のものや奇形のものを間引きます。
挿し木
挿し芽ともいいます。葉・茎・根などを切りとって用土に挿し、一本立ちさせるふやし方です。ハーブ類は生命力の旺盛なものが多く、挿し木しやすいものが多くなっています。
挿し木の目的は、①一度に多くの株ができる、②生育が早い、③株の更新と若返りのため などで、夏を除く4~10月頃が適期です。
肥料
ハーブ類はそれほど肥料を要求するものではありませんが、生育期が短いわりに葉を多く利用するバジル、ミント類、コリアンダーなどは養分を多く与えます。
肥料の種類には、化成肥料、配合肥料、液肥などがあります。さらに、無機・有機に分かれていますが、有機ハーブを望む場合は、有機質肥料を施す必要があります。