提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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果菜類

ソラマメの作り方(家庭菜園向け)

栽培のポイント

●連作を嫌うので、4~5年間は同じ場所に作付けしないようにします。
●種子春化型の植物で、催芽と共に低温(4~5℃)に感応して花芽が形成されます。
●生育適温は15~20℃で寒さ・暑さに弱いです。幼苗期は耐寒性があるので、本葉4~5枚で冬越しできるようにタネまき時期を決めます。
●冬越しにはポリマルチの効果が大きいです。霜柱、土壌の凍結・乾燥の防止になり、凍害の軽減により生育も良いです。
●幼苗期からアブラムシの防除を行ない、ウイルス病の感染を防ぎます(年内に感染した株は収穫が皆無となります)。

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品種


陵西一寸、打越一寸、仁徳一寸、三連、初姫(赤皮)在来種など。

栽培ごよみ

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 (南関東標準) 

畑の準備

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タネまき

発芽適温は20℃前後です。
直接、畑にタネをまく「直まき」と「地床育苗」、「ポット育苗」があります。

直まきには以下のメリットがあります。
①育苗の省力
②根が深く張る
③生育が順調に進む

地床育苗は畑に「育苗床」を作り、タネを播き、本葉1.5枚頃に根を切らないように掘り上げて育てます。
ポット育苗は、7.5cm又は9cm径のポットにタネを播き、本葉3枚まで育てて植えます。

タネは、マメのヘソ(おはぐろ)の部分を斜め下に向けて土に差し込み、豆の先端が少し出る位の深さでまきます。
豆類は、タネまき後に急激に吸水して膨らみ、酸素不足、過湿下では不発芽になりやすいため、タネまきから発芽までのかん水は控えめに行います。

直まきの場合は、黒ポリマルチを張った畦に40cm間隔に孔を開け、2粒のタネを播きます。

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本葉2枚の頃に、生育の良い方を1株残して間引きします。
1粒まきの場合は、欠株発生の恐れがあるので、補植用の苗を予備として用意しておきます。

防寒・防風

冬季には防寒のため、稲わらや竹笹を株の北側に立てるか不織布等をかけます。
タネまきの時からカラスなどの食害やアブラムシ対策として、防虫ネットをかけます。
厳寒期には、その上に不織布などをトンネル掛けにすると、寒さや虫などから保護できます。

追肥と土寄せ

追肥は、2月下旬と開花・着夾期の3月下旬に、2回に分けて行います。
1回の施用量は、元肥に使用した有機配合肥料(6-6-6)を50g/㎡(※)施用します。
無マルチの場合は、同時に株元に土寄せを行ない、倒伏と晩い分けつを防止します。

成分換算でチッソ、リン酸、カリが各3gになります

整枝

2月中旬頃に、寒さで葉が黄ばみ、生育が止まった主茎は、元から切除します。
3月中~下旬に、太く勢いの良い側枝を、株当たり7~8本に整枝します。
枝の芯止めは、4月中旬頃に地際から90~100cmの高さで行います。
マメが着夾して収穫できる節位は、株元から5節~10節の範囲が多いです。

支柱立てと誘引

4月になったら、株の両側に支柱を立て、マイカ線などのテープを2~3段に張り、倒伏を防止します。
目合い15cmのフラワーネットを70cmの高さに水平に張っても枝の倒伏防止と誘引になります。

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フラワーネットを使用した例

主な病害虫

●主な害虫
アブラムシ類
●主な病害
ウイルス病、立枯病、褐斑病

収穫

収穫期間が5月中旬頃から約半月と短い。
収穫期になると莢に光沢が出始め、莢が下垂し、莢の縫合線が黒く色づいてきます。
莢中のマメの「おはぐろ」が緑から黄褐色に変化する頃が収穫の目安になります。
皮ごと食べたい場合は、少し早目に収穫します。
収穫が終わる頃には株が黄化、落葉してきます。

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