提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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果菜類

スイートコーンの作り方(家庭菜園向け)

(2023年4月 施肥量等を修正)

栽培のポイント

●強い光を必要とします。天気が悪いとおいしい果実がとれません
●甘くておいしい果実をつけるタネが出回っています。早晩性の確認をし、作る時期に適した品種を選びましょう
●害虫のアワノメイガに注意しましょう
●鳥獣被害を受けやすい地域では対策を講じましょう

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品種

・ゴールドラッシュ、キャンベラ、わくわくコーン、おひさまコーン、味来系など
・バイカラー品種 :ピーターコーン、カクテル、ゆめのコーンなど

栽培ごよみ

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 (中間地) 

畑の準備

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※熔成リン肥のリン酸は土壌中に残るため、毎作施用する必要はありません。

苗づくり

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植付け

本葉2枚程度が定植の適期です。定植日の朝に、たっぷりかん水しておきます。
定植後は、苗が風害を受けやすいので、三角の紙テントをかけるか、天井を切ったポリキャップをかけるようにします。
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じかまきの場合

一か所に3~4粒タネをまき、2~3cm土をかけます。 
マルチ栽培は4月10日から、無マルチ栽培の場合は4月20日から、タネをまくことができます(南関東標準)。



●マルチ栽培をする場合
畦を作ってマルチ(30cm間隔に穴のあいたもの)をし、その穴に3~4粒のタネをまいて、土をかけます。

間引きのときは、他の苗を痛めないように、ハサミで深く切り取ります。
根を付けて抜いた苗は、発芽しなかったところ(欠株)に植えることができます(補植)。

追肥

雌穂が出穂したら、雌穂を大きくしたり、穂の先端まで実をいれるための追肥として、窒素とカリ主体の速効性肥料を10株当たり窒素成分で10gを通路に施します 。

雌穂の選定と分けつ枝の処理

雌穂(サヤ)は、1株に2~3本できますが、絹糸の出始めた頃に最上部の雌穂を1本残して、他は取り除きます。
この際、葉や茎を傷めないように注意します。 

枝元から出る分けつ枝は、増収効果があるので、そのままにしておきます。これを「無除けつ栽培」といい、現在はこの方法が一般的です。

分けつ枝は、作り方や品種によって多少異なりますが、普通は3~5本程度発生します。

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着果の仕方

雄穂は本葉が5枚頃にでき、雌穂は7~8枚頃にできます。 
普通は7~10節に1番の雌穂ができ、その下の節に2番目、3番目がつきます。
1番目の雌穂が大きくなるので、1番上の雌穂を残して、2番目以降の雌穂は、小さいうちにとり、ベビーコーンとして利用します。

主な病害虫

●主な害虫
アブラムシ類、アワノメイガ、アワヨトウ、オオタバコガ 
●主な病害
すす紋病、苗立病、根腐病


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左から上から ムギクビレアブラムシ / アワノメイガ (提供 :梶原敏宏氏) 

収穫

若取りをすると、粒の色が薄くて甘味が少なくなり、逆に過熟すると粒の皮が堅く、皮が口の中に残るので、適期収穫を心がけます。

授粉後3週間程度で、絹糸が黒褐色に変色したら、収穫します。
スイートコーンは、収穫後、すぐに糖の減少が始まります。
気温が低い早朝に収穫し、なるべく早く食べるようにしましょう。

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ミニ情報

●ハクビシンの食害防止
近年、収穫間際になってハクビシンの食害を受けるようになり、侵入を防止するためにネットで囲う例が増えています。
使用されているネットの種類は色々ですが、地際部の隙間から潜り込まないように押さえることが重要です。また、登りやすいネットの場合は上面までネットをかけて侵入防止を図ります。それでも収穫時期には、侵入して食べていないか。ネットが破かれていないか等のチェックが欠かせません。

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ネット展張の例 :防獣ネット(左)と防鳥ネット(右)

地際部をネットで押さえても、タヌキが穴を掘り侵入した例がありました。
たくさん栽培する場合は、電気柵も選択肢の一つと思います。

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