提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜づくりの基本

種(タネ)について

2009年7月30日

はじめに

 近年、新しい品種の育成に力を入れるメーカーが多くなり、抵抗性や耐病虫性の品種や家庭菜園向きの品種が増えつつあります。
 また、栽培する時期に合わせた品種や、品質(形状、色、味、ビタミン、ミネラル等)の良いもの、作りやすい品種が多く出まわっています。
 野菜をつくる場合、良いタネを選ぶことと、タネの性質をよく知っておくことが大切です。

よいタネの条件

benri_katei_tane3.jpg ●品種固有の特性をもっていること
●発芽率が高く、発芽がよく揃うこと
●よく充実して、乾燥・調整が正しく行われていること
●古いタネが混ざっていないこと
●ゴミや土・砂・雑草のタネが混っていないこと
●病害虫が付着していないこと
●袋にタネの採取年月日が記載されていること

タネの発芽

 タネの発芽には、温度と水分・光などが関係しています。
 作物によっても異なりますが、発芽しやすい環境をつくりましょう。

「温度」 
●15~20℃ の比較的低温を好む種類は、春と秋に栽培するホウレンソウ、キャベツ、ネギ、レタス類など、たくさんあります。
●20~30℃ の比較的高温を好む種類には、ナス、トマト、ウリ類、マメ類などがあります。

「水分」
●水分が足りないと、発芽力が弱くなります。発芽が揃うように、タネに十分水分を吸わせます。

「光」 
●発芽するときに明るい方を好むキク科(レタス、シュンギクなど)、セリ科(ニンジン、ミツバなど)、シソ科(シソ、バジルなど)は、タネがかぶる程度にうすく土をかけます。
●ただ、覆土が薄いと乾燥しやすいなどのほか、タネの給水能力なども発芽に影響するので、乾燥防止をするとともに、種子の発芽率などを参考に播種量を決めます。

タネのまき方


benri_katei_tane2.jpg

タネの寿命

 タネには、寿命があります。そのままの状態では、梅雨の時期の湿度や夏の高温などが原因になり、寿命が徐々に短くなります。 

タネの保管


 まき終わったあとに残ったタネは、茶筒やのりの空き缶などを利用して、乾燥剤を入れ、低温・低湿の状態で冷蔵保管します。
 タネは常に呼吸をしています。保管状態には注意しましょう。
 コート種子などの加工種子は保存性が劣るので、使い切るようにしましょう。

いろいろなタネ

「使いやすく加工されたタネ」
●コート種子
 小粒のタネを、播きやすいように、一定の大きさ、形状に加工したもの。ペレット種子・造粒種子とも呼ばれます。 
●ネーキッド種子
 かたい殻を取り除き、裸状にしたタネ。水分の吸収がよくなり、発芽がしやすくなります。
●シードテープ
 パルプや綿、不織布や紙などのテープに、一定の間隔でタネを挟み込んだもの。畑にテープを引いて、土をかぶせるだけで、簡単にタネまきができます。 

コート種子(左は普通のタネ)シードテープ
 :コート種子(左は普通のタネ) /  :シードテープ

「F1と固定種」
 タネには自分の花粉で実る品種(=固定種)と、人工的に他品種と交配させて作る一代限りの交配種(=F1)があり、近年、F1のタネが増えています。 
 F1のタネは、固定種に比べて作物の揃いがよく、収量や耐病性にも優れていますが、出来たタネをまいても同じものはとれないため、毎年タネを用意する必要があります。
 一代交配種は、タネの小袋の表面にF1と表記されているもののほか、種苗会社名を入れた「○○交配」と表記されているものもあります。

ミニ情報

「生産地は国際的」
 タネ袋の裏には、品種の特性や栽培時期、栽培法、生産地などが書かれていますが、生産地が外国のものが、近年増えています。これは、気象変動等により、国内でタネが安定的に採れない年があることから、 海外での採種適地に採取ほを設けて行なっているためです。
 2019年の財務省の貿易統計によると野菜種子の輸入額は187億円、輸出は86億円です。輸入が多いのは海外での採種が多いためです。
 日本の野菜品種は人気があり、中国・香港や韓国、ベトナム、米国などに輸出され、タネの生産と流通も国際化しています。

◆家庭菜園編 もくじはこちら saien.png