提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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家庭菜園

ニンニクの作り方(家庭菜園向け)

栽培のポイント

●秋に種球を植え、冬の低温にあたると花芽が分化し、鱗茎が形成される。日が長くなり、気温が10℃以上になると肥大が始まります。
●種球の萌芽適地温は20~23℃と言われています。生育適温は15~20℃、25℃を超えると生育は抑制され、休眠に入ります。
●適期に播種して、本葉4~5枚で越冬するようにします。

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生育盛期の様子

品種

暖地系と寒地系に区分されます。
暖地系は休眠が浅く、早生になります。寒地系は鱗茎の形成には暖地系よりも低温要求量が強いという特徴があります。
関東地方では中間地に位置するため、両系統の品種が栽培されています。

暖地系の品種:壱州早生、嘉定、平戸、在来種など。
寒地系の品種:福地ホワイト六片、ニューホワイト六片、在来種など。

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暖地系品種(左)と寒地系品種(右)の鱗茎

栽培ごよみ

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 (南関東標準) 

畑の準備

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ニンニクは浅根性で土壌の乾燥に弱いので、凍害防止のためにも、整地後に畦面に黒色の有孔ポリマルチを張ります。
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無マルチの場合は、平畦で条間25cm 株間15cm間隔に植え付けます。

タネ球の準備と植付け

タネ用として、鱗茎(鱗球)の状態で市販されています。
鱗茎の大きさは、品種により異なりますが、径が5~7cm、50g前後で揃ったものを用意します。
1個の鱗茎に5~10片の側球(鱗片)があるので、それをタネ球にします。
中には、茎盤に接した発根部が変色して腐敗しているものもあるので、注意します。
そのような場合は、薄皮(保護葉)をむいて確認します。むいたものでも問題なく使用できます。

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鱗茎と側球(側球は小鱗茎・鱗片ともいわれる)

指先で深さ8cmの穴を掘り、5~10g前後のタネ球を、根が出る部分を下にして、垂直に差し込みます。
覆土の厚さは4~5cmになります。

芽かきと花蕾(珠芽)採り

大きめのタネ球は内部で分球している場合があり、芽が2本出てきた時は早めに1本にしてください。
4月下旬頃から花茎が伸びて、花蕾が出てきた場合は、手でつまんで摘み取ります。

追肥

2月下旬と3月下旬に、元肥に使用した有機配合肥料(6-6-6)を1㎡当たり50g、ポリマルチの部分に散布します

主な病害虫

●主な害虫
ネダニなど
●主な病害
葉枯病、黒腐菌核病、乾腐病、ウイルス病

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ネダニ

●画像提供 :梶原敏宏氏

収穫・貯蔵

葉が半分ほど黄化し、鱗茎の首の部分がゆるみ、球の下面が平らになったら収穫時期です。

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収穫間近の状態

収穫は晴天に行います。日干しして土を落とし、根を切ります。
収納して茎を5cn位残して切断します。
2~3日天日干しを行ない、網袋にいれるか、または、茎を30cmほど残して切断し、10~15球ずつ束ねて風通しがよく、雨や日の当たらない場所に吊り下げておきます。

ミニ情報:ニンニクの効能

古くから薬用、香辛料として用いられ、疲労回復・強壮効果が知られています。
日本で最古の農書といわれる「農業全書」にもそのような記述があります。

夏の厳しい農作業では、暑さを乗り切るために毎日少しずつニンニクを食べるとよい。
それにより日射病や暑気当たりの予防になる。
熱冷ましなど色々な効能があるので各家で必ず作るべき。


と、栽培を奨励しています。

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