ビーツ(テーブルビート)の作り方(家庭菜園向け)
栽培のポイント
●ビーツは地中海沿岸を原産とするヒユ科フダンソウ属の植物で、スイスチャード、テンサイは同じ仲間です。
●株全体が濃赤紫色の色素(ベタシアニン)を含みます。ベタシアニンはポリフェノールの一種で高い抗酸化力があります。和名では「火焔菜(カエンサイ)」と呼ばれています。
●冷涼な気候を好み、生育適温は15~20℃です。酸性土壌に弱いなど、同科のホウレンソウと共通点があります。
●発芽率が70%以上と表記されていますが、野菜の中では最も低い部類に入り、不発芽により欠株が発生することもあります。
●タネは「種球」といわれるもので、一つの種球に2~3粒の種子が含まれています。
●春まきと秋まきの2作型があります。
●春まきは生育が旺盛となり、カブも大きくなります。
●秋まきは気温が下降するので小ぶりな草姿となり、カブも春まきほど大きくはなりません。ただ、寒さを受けることによる「寒締め効果」で色が一層濃くなり、甘さも増します。
タネまき
種子の皮が厚く、吸水しにくいため、タネまきの前日に種子を水に浸し、吸水を促します。(種子浸漬処理)
青色は種子消毒済みの種子
1cm深ほどのまき溝をつくり、2~3cm間隔に種球をまいていきます。
タネをまいた後は、軽く地表面を鎮圧します。
春まきで地温が低い場合は不織布のべたがけ、夏まきで地温が高い場合は遮光ネットのべたがけが有効です。
タネまき後の灌水は被覆(べたがけ)した上から行ないます。
7~10日間で発芽します。芽が出始めたら被覆資材を除去します。
間引き
発芽し、子葉(双葉)が開いた頃から、混み合っている株を順次抜いていきます。
本葉が3~4枚に達した頃に、最終間引きを行ないます。
春まきでは株間15cm、秋まきでは10cm間隔に1本にします。
間引きした株はベビーリーフとして食べられます。
主な病害虫
高温・多湿下では、立枯病により株元が侵されて欠株になりやすいので、注意が必要です。
発芽間もないうちの立枯病の発生もあるため、種子消毒済みのタネも販売されています。
セル育苗を行ない、苗を植付けることにより苗立枯病の発生を減らす方法もあります。
種子の節約にもなります。
ホウレンソウで発生するアブラムシやアザミウマが確認されることもありますが、問題になる病害虫は少ないです。