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家庭菜園

2022年の早期梅雨明けと夏野菜への悪影響

災害級の大干ばつ 

 2022年は、6月6日に梅雨入りし、平年より22日早く、6月27日には梅雨明けとなりました。
 平年であれば、6月15日~7月10日は梅雨本番で、曇雨天日が多い時ですが、今年は6月24日から暑い日が続き、最高気温が34℃以上に達した日は6月27日~7月3日の7日間に及びます。降水量も極端に少なく、土壌は乾ききって、畑作物の生育障害が多発しています。
 この深刻な状況は後遺症として残り、生育の回復は望めない状況です。
 秋野菜のタネまき、植付けにも影響しかねません。

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【高温・強日照・乾燥による生育障害の例】
●葉焼け
 サトイモ、ミョウガ、ショウガ

●日焼け果
 ピーマン(パプリカ)、スイカ、カボチャ、メロン

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 :ミョウガの葉焼け /  :カボチャの日焼け果

●生理障害果や結実不良
①トマト、ピーマンの尻腐れ果
②トマトの着色不良や軟化玉の発生
③ナスの光沢不良(ボケナス)
④トウモロコシの先端不稔
⑤エダマメの空莢
その他、果樹においてもブドウの日焼け果、ミカンの落果、柿の肥大不良など

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 :エダマメの着夾状況 /  :結実莢(左)と不結実(空莢:右)

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 :トウモロコシの稔実不良 /  :トマト上段花房の結実不良

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トマト尻腐れ果

生育障害の軽減策

生育障害の軽減策を以下に紹介します。

(1)強い日射を遮光する。
(2)早朝又は夕方の涼しい時に灌水する。
(3)株元に敷きわらをして、土壌の乾燥や地温の上昇を抑える。
(4)追肥は灌水を兼ねて液肥で行う。

主な果菜類の生育状況

■キュウリ
 6月上旬より収穫していますが、収穫を終えた側枝・古くなった葉は除去し、退化側枝の伸長を促し、株の若返りを図っています。
 「キュウリは水で育てる」と言われているので、灌水は不可欠です。
  炭疽病の発生に注意します。

■ナス
 6月末から収穫しています。
 高温には強いですが、土壌が乾燥するとボケナスとなりやすい。
 風に揺られると擦れて傷が付きやすいです。
 今後、ハダニやチャノホコリダニに注意します。

■ピーマン
 強日照・土壌の乾燥に弱く、日焼け果や尻腐れ果が発生しました。
 また、トマトと同様に、オオタバコガの食害を受けました。
 ハダニの発生痕のある葉で天敵(ミヤコカブリダニ)が確認されました。

■トマト
 露地トマトでは第1段花房を収穫中で、4段花房までは1花房当たり3~4果と正常に着果しています。大きさはМ中心で、やや小玉です。
 5段花房の着果は0~1果と極めて悪い。6段花房が開花していますが、花の中心部が変色しているので着果は望めそうもありません。
 雨よけハウスでは、高温・乾燥により、尻腐れ果の発生が見られます。
 大玉トマトよりもミニトマト(品種:アイコ)の方が尻腐れ果が少なく、着果も安定しているので、作りやすいと言えるでしょう。

■カボチャ
 5月23日~6月2日に着果しています。大きさが決まった時点でフルーツマットを敷き、6月24日には日焼け果防止のため、果を新聞紙で包みました。株元(特にベット上)の葉の枯れ上がりが顕著になったので、6月29日から収穫を始めましたが、一部の品種で裂果(成り元の割れ)が見られました。

■スイカ
 6月24日にはほぼ着果が完了。着果の早晩を色違いの毛糸を結んで、収穫時の目印としています。玉直しとフルーツマット敷きを7月6日以降に実施。
 日焼け果の防止のため、新聞紙で果を包んでいます。
 今後は、炭疽病の発生に注意します。
 予定よりも2~3日早く、初収穫になりました。

(2022年7月20日現在)

執筆者
瀧本 健雄
元 茨城県普及指導員 野菜専門技術員

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