簡単!ぼかし肥の作り方(家庭菜園向け)
ぼかし肥の効果
おいしい野菜を作ろうと、油粕や米ぬか、漁粕などの有機質肥料をそのまま畑に使うと、微生物が急激に増え、病原菌の増殖や有毒ガス等の障害を招くことがあります。
有機質肥料を施用する前に、微生物である程度まで発酵・分解させたものが"ぼかし肥(ぼかし肥料)"です。
"ぼかし肥"は、土壌中で微生物による分解が継続するので、即効性と緩効性を併せ持った肥料です。
"ぼかし肥"づくりの手順
(1)材料の混合
●発酵を引き起こすため、米ぬか、米麹(発酵促進材)と水を混ぜ合わせます。
●水分が多いと腐れの原因となるので、水分含量を40%程度にします。
●手で握ると形が残り、指で軽く押すと崩れる状態になるまで混ぜ合わせます。
手で握り、水分状態を確認
(2)材料を拡げてシートをかける
●透水性のあるシート(除草シート等※)を敷きます。
※ シートの幅は1m、1.5m、2mとありますが、材料が米袋で3~4袋の場合は幅1.5m、長さ2mほど必要です。ホームセンターなどで切り売りされているものを使用するとよいでしょう
●シートの上に、よく混ぜた材料を拡げます。
●材料を厚く重ねすぎると内部の温度が上がりすぎ(60℃以上)、酸素不足により黒褐色に変色します。薄すぎると熱が上がりづらいので、30cm程度の厚さになるように拡げます。
●表面が乾かないように通気性のあるシート(綿布など※※)を上にかけます。
※※ 古くなったシーツや布団カバーなど
●屋外の場合は、雨をよけるために、さらにその上にブルーシートをかけておきます。
●3日~5日すると発酵臭が発生して、発熱します。
左 :堆積した上にシートをかける / 右 :内部の温度は55℃。発酵が進行中の状態
(3)水をかけながら切り返しを行う
●発酵を均一に促進するために、7~10日おきに切り返しを行ないます。
●少量の水をかけながら内部と外側の部分を切り返し、酸素を補給して均一な発酵を促します。
発熱により乾燥するので散水しながら切り返す
(4)温度が落ち着いたら"ぼかし肥"の完成
●切り返しを4~5回行ないます。発酵始めは乳酸のようなにおいがし、次第に味噌麹臭に変化していきます。
●切り返し後、温度の上昇が落ち着いてきたら"ぼかし肥"の完成です。
●そのまま乾燥すると、発酵は止まります。