提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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加工・業務用キャベツ機械化(畝内2条施肥)実演会を開催(島根県津和野町)

2024年09月24日

 島根県農業技術センターでは、昨年度、①ブロッコリーの生育・収量向上のための排水性改善対策の持続性の実証、②ヘアリーベッチを連年作付した場合の土壌物理性の変化や肥料効果を加味したブロッコリーの減肥栽培の実証、③ヘイオーツによる根こぶ病菌密度低減効果について検討したところである。


(参考)
▼【島根県】礫質ほ場における効果的な排水対策及び緑肥活用の実証(令和5年度全国農業システム化研究会実証調査)
▼緑肥活用に関する研修・実演会を開催(島根県邑南町)
▼乗用管理機によるブロッコリーの中耕培土実演会を開催(島根県邑南町)


 今年度は、他品目への適用として、生育促進効果がダイレクトに収量・経営に反映される加工・業務用キャベツの単収向上を目的に、へアリーベッチの活用と畝内局所施肥が生育および収量に及ぼす影響を調査する。併せて、乗用機械による追肥中耕、防除作業の省力化も実証することとした。


試験区および慣行区の概要は下記の通り。
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 8月6日には、実証農家の「農事組合法人もとごう」(島根県津和野町)の試験ほ場にて、「加工・業務用キャベツ機械化(畝内2条施肥)実演会」が開催され、県普及関係職員、JA、生産者、資機材メーカー等、約30名の参加があった。
 はじめに、農事組合法人もとごうの林代表理事から挨拶があった。続いて、島根県農業技術センター水田園芸技術普及課の佐々木主任から実証調査の説明、株式会社クボタおよび鋤柄農機株式会社の担当者から機械の説明があった後、実証が始まった。
 トラクタによる畝立施肥作業は、今回は確実性を期するために比較的遅いスピードで行われたが、直進アシスト付きであるため、経験の浅い作業者でもまっすぐに畝立ができた。
 また、作業中に表層に施肥する肥料が排出されない等のトラブルはあったが、異なる8区分の畝立施肥を約3時間で終わらせた。


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左 :参加者へ挨拶をする農事組合法人もとごうの林代表理事
右 :株式会社クボタの担当者による機械の説明


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左 :局所施肥で使用した、超砕土成形ロータリー(クボタ RT416K)+畝内2条施肥機(鋤柄農機 RT-400-2S)
右 :全層施肥で使用した、サンソワー(ジョーニシ G-R10N)


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畝内2条施肥機の内部。画像の矢印部分から肥料が排出されることで、畝内に施肥することができる


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benri_movie1.jpg(クリックで動画再生)
畝立局所施肥作業の様子


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畝内約10cmの場所に施肥を行っている


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畝内局所施肥作業後のほ場の様子


 今後は8月に定植、8月~9月まで追肥中耕、10月~11月まで収穫を行い、緑肥の有無や施肥方法による生育差を調査する。地域における加工・業務用キャベツの省力・安定生産につながることを期待したい。(みんなの農業広場事務局)