大豆の湿害を回避する「耕うん同時畝立て播種」による実証調査(長野県上田市)
2008年07月09日
全国農業システム化研究会の現地実証調査に係わる現地検討会が、7月3日、上田市内の小泉地区で開催された。検討会へは約50名の関係者が集まり、熱心に作業を見守った。
当地区は、転作作物として小麦と大豆に取り組んでおり、小麦の刈り取りが終わった圃場に大豆を播種している。昨年からは、県内実需者の期待に応えるため、納豆用大豆(品種:すずろまん)が本格的に栽培されている。
排水性の劣る水田圃場で大豆と小麦栽培を行うことから、湿害の影響を受けやすく、その点が課題のひとつになっている。また、作業が天候に大きく左右されることから、圃場での作業性が劣り、作業競合、適期作業の困難などの課題も抱えている。
左上 :除草剤散布機(中央上銀色の筒)を装着した播種機
右下 :大豆畝立て同時播種 除草剤散布の様子
そこで、排水不良田での効率的な作業体系を実証し、水田の高度利用と転作作物の安定生産を図ろうとする取り組みを通じ、地元生産組織の育成支援を行うことを目的としている。
今回の実証調査では、「耕うん同時畝立て播種+狭畦密植栽培」という栽培技術を導入した。畝立てによる湿害軽減効果や播種土壌の砕土性を高めて、播種状態を安定化させる効果などが期待できる播種栽培技術であり、排水不良地域での効果が期待されている。
また、当日は、除草剤散布機を播種機の後ろに取付け、播種+施肥と同時に除草剤散布もおこなわれ、作業をより効率・省力的にすることができた。
同時に、プラウタイプの溝掘り機のデモンストレーションも行われ、作業のスピード性に参加者一同の注目が集まった。
今後、本実証調査では、ハイクリブームによる除草剤散布作業や、狭ピッチ切断+幅広コンケーブ装着汎用コンバインによる刈取り作業が予定されている。(みんなの農業広場事務局)