ドローンによる水稲湛水直播栽培現地研修会を開催(茨城県境町)
2024年09月17日
茨城県坂東地域農業改良指導センターでは、令和6年度に全国農業システム化研究会事業を活用し、「ドローン直播による低コスト生産技術」をテーマに、実証調査を実施している。
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▼ドローン直播作業が行われました(茨城県坂東市)
8月20日茨城県坂東市内の現地ほ場にて、ドローンによる水稲湛水直播栽培現地研修会が開催された。当日は県普及関係職員、JA、農業資機材メーカー、生産者等、約20名が集まる中、水稲の生育状況の確認や農業用ドローンのデモフライト等を行った。
左 :坂東地域農業改良普及センター清水センター長の挨拶
右 :実証調査内容や生育状況の説明をする坂東地域農業改良普及センターの四宮主任
実証ほは播種後約3カ月が経過しており、落水しても水が抜けなかった水口付近や畔際は部分的に発芽していなかったものの、全体として生育は概ね順調であった。播種後にマスラオ1kg粒剤を散布し、その後もドローンで除草剤散布を行っており、雑草の発生に問題はないとの報告があった。
左 :株式会社クボタ熊谷技術顧問から直播栽培における基本的な考え方とポイントの説明があった
右 :当日使用した農業用ドローン(クボタT10K)は、タンク容量BL、散布幅5mと小~中規模の圃場に適している
直播栽培は野外で育苗管理を行うようなものであり、環境整備がポイントとなるため、均平なほ場であること、水のコントロールができること、雑草が少ないこと、鳥害がないこと等ほ場条件について説明があり、ほ場選びやほ場づくりの重要性が指摘された。また、最初は直播機による鉄コーティング湛水直播栽培に取り組み、直播栽培に慣れてからドローン直播に移行するなど、段階的に取り組む方法の提案もあった。
左 :T10Kのデモフライト(水の散布)の様子 (クリックで動画再生)
右 :品種は飼料用の水稲「ゆめあおば」を栽培
実証ほでは今後収量調査等を行い、経営的な評価を踏まえてドローン直播の有効性を確認していく予定だ(みんなの農業広場事務局)。