アグリロボ田植機による鉄コーティング直播作業および可変施肥技術に関する現地検討会の開催(岩手県北上市)
2022年06月07日
岩手県農業研究センターでは今年度、全国農業システム化研究会事業の一環として昨年度作成した可変施肥マップを基に、アグリロボ田植機による鉄コーティング直播栽培の実証試験に取り組む。狙いは作業の省力化と、可変施肥技術による生育・収量の斉一化効果および化学肥料使用量の低減である。また、今年度より策定されたみどりの食料システム戦略に資する技術であるかも検討する。
なお、アグリロボ田植機の移植機を播種機に変えての作業はまだモニタリングの段階である。
5月10日(火)、実証圃場にて播種作業の現地検討会が開催された。当日は県内普及関係者、資機材メーカー等20名以上が見学に訪れた。
進行役の岩手県農業研究センター生産基盤研究部生産システム研究室の山口上席専門研究員
≪耕種概要≫
種子 :種子消毒・活性化処理あり 13℃・4日間 鉄コーティング0.5倍重
ルーチンシードFS・ヨーバルシードFS(コーティング処理時)
品種 :銀河のしずく
播種 :表面点播 乾籾4~5kg/10a
作業機:アグリロボ田植機(NW8SA)+鉄まきちゃん+こまきちゃん
除草剤:プレキープ1キロ粒剤
施肥 :鉄コー直播633
【可変施肥区】N6.4kg、N7.02kg、N8kg/10a
【均一施肥区】N7.04kg/10a
左上 :アグリロボ田植機の説明をするクボタアグリサービス(株)の嵯峨氏
右下 :実際に間近で機械を見られるのも現地検討会のメリット
左上 :圃場の左3分の2が可変施肥区で施肥量が変化している
中 :播種同時除草剤の「プレキープ1キロ粒剤」
右下 :リモコンで作業開始の指示出し (クリックで動画再生)
施肥マップのデータがKSASを経由しアグリロボ田植機へ転送され、播種作業が始まった。作業はリモコンによる操作で、ボタンを押すだけで、自動で播種開始地点へ移動するため、作業者は基本的に田植機に乗る必要はない(外周2周分は安全のため有人となる)。
肥料の追加は前方から乗り込み補充。除草剤は後方からの補充。どちらも畝際まで寄せることができるため、簡単に作業ができる
左上 :リモコンもシンプルで扱いやすい仕様
右下 :外周だけは安全のため有人であるが、自動運転のためハンドル操作は不要である
今後はNDVI撮影用ドローンでNDVI値を測定し、9月に収量コンバインでの収穫を予定している。秋以降、得られたデータを利用し次年度の作業計画に反映をさせていく予定だ。(みんなの農業広場事務局)