乾田直播栽培における播種作業を実施(千葉県香取市)
2018年05月16日
5月1日、千葉県香取市で乾田直播栽培における播種作業が行われた。
千葉県香取市は県内有数の水田地帯であり、コシヒカリをはじめ、県育成品種のふさこがね、ふさおとめを主力品種とし、早場米の産地でもある。近年は、規模拡大や農地の集積が進む一方で育苗作業や移植作業等が負担となっていることから、対策のひとつとして乾田直播栽培が期待されている。
そこで、香取市を所管する香取農業事務所改良普及課では、全国農業システム化研究会実証事業を活用し、平成30年度から乾田直播栽培による省力・低コスト効果の実証調査に取り組んでいる。適切な施肥・除草体系の確立及び乾田直播栽培に適した圃場条件を明らかにし、さらに作業分散による移植栽培と直播栽培を組み合わせた最適な作付計画や規模拡大計画の検討に生かすことで、経営発展に結び付けたいというねらいがある。
左 :乾田直播栽培における播種作業
右 :千葉県育成品種「ふさこがね」を使用
当日は、同市内の実証圃(1.3ha)において、午前中から播種床造成作業、続いて播種作業を行い、午後から播種後の鎮圧作業が行われた。
①播種床造成作業
左 :ケンブリッジローラーで土塊を砕き播種床をつくる (クリックで動画を再生)
右 :鎮圧の様子
②播種作業
左 :汎用ドリル播種機による播種作業 (クリックで動画を再生)
右 :播種と同時にプレスホイールで覆土・鎮圧
③鎮圧作業
左 :播種後に、ケンブリッジローラーで鎮圧作業を実施 (クリックで動画を再生)
右 :作業後の圃場
県農林水産部担い手支援課専門普及指導室の協力を得ながら、香取農業事務所改良普及課の担当普及指導員が雑草の生育状況、作業効率、播種精度などの調査を実施した。
左 :1㎡当たりの雑草の生育調査を行う香取農業事務所の川口普及指導員(右)と木村普及技術員(左)
右 :作業速度を計測
左 :播種精度を確認
中 :播種精度の確認を行う、担い手支援課専門普及指導室の保坂農業革新支援専門員
右 :圃場外周部の明渠の施工状況を確認
施肥に関しても一発肥料の導入を進めており、ふさこがね専用一発033のほか、他の肥料(一発鉄コくん早生用788)を比較検討する予定だ。
また、除草体系については、後日、茎葉処理剤のラウンドアップマックスロード及び土壌処理剤のマーシェット乳剤を混用散布し、入水後には忍フロアブルを散布する予定。散布が遅れてしまうとイネへの影響が懸念されるためタイミングを見極める必要があるが、これらの除草体系による効果が期待される。(みんなの農業広場事務局)
左 :圃場中央に溝を掘って区を分割し、肥料の比較を行う予定 (クリックで動画を再生)
右 :「乾田直播は雑草対策が悩ましい。効果的な除草体系が構築できれば最高だ」と実証調査に期待する協力農家(左)