組織経営体へのICT技術導入による経営改善効果の検討-KSAS対応田植え機による田植え作業(兵庫県たつの市)
2017年06月15日
龍野農業改良普及センターでは、平成28年度から全国農業システム化研究会事業を活用し、ICTを活用したほ場管理システム(KSAS)を導入し、2年3作(稲・麦・大豆)の作付体系における収量・品質の安定化と作業の効率化を目指している。
実証農家は(株)ささ営農。稲・麦・大豆のほか、野菜や果樹、また、バジルの栽培及び加工など、幅広い営農をおこなっている。農地集積が進んでおり、地域におけるモデル的な法人組織だが、離れた地区の借り受けも増えており、ほ場ごとの特性を踏まえた作業計画や、移動時間を含めた効率的な作業が困難になっている。
これらの問題の解消と、収益性の高い農業経営の実践するため、5名のオペレータが専用モバイルを携帯し、ほ場ごとの作業時間等、データ収集を行うこととしている。
6月6~7日にかけて、4ほ場(1.6ha)でKSAS対応田植え機による移植作業が行われた。
実証ほ場は、過去に収量コンバインでの作業と土壌分析データを取得しており、これをもとに最適な施肥設計による作業を行うこととしている。
供試品種は「ヒノヒカリ」。株間は24cmに設定し、施肥については2ほ場で標準量、1ほ場で1割増、1ほ場で1割減で調査を行う。
梅雨入り直後で時折強い雨が降る中、KSAS対応田植え機で作業をおこなった
左上 :「こまきちゃん」で一発処理除草剤を同時施用
右下 :作業終了後の「ほ場1」
左上 :作業開始時と終了時にはKSASモバイルを操作。地図上の圃場をタップすると、圃場の情報が表示される
右下 :作業が完了した圃場には「完了」の文字が
この後、6月後半にはPFコンバイン(※)による小麦「ゆめちから」の収穫作業が予定されている。(みんなの農業広場事務局)
※ PFコンバイン:Precision Farming コンバインの略。ここでは、食味(タンパク・水分)・収量測定機能付きコンバインを指す。