中間検討会を実施~コシヒカリの品質・食味・収量の高位平準化を目指したICT実証調査(新潟県長岡市)
2015年08月24日
新潟県長岡市白鳥町の(有)百笑会の圃場で7月31日、全国農業システム化研究会のKSAS導入による実証調査の中間検討会が行われた。梅雨明け後の真夏の日差しが降りそそぐ中、関係者10数名が集まった。
左上 :(公社)新潟県農林公社の和田氏(就農相談員)によるあいさつ
右下 :(有)百笑会の池田代表取締役(左)と阿部普及指導員
現地検討では、5月12日にKSAS田植機による田植えが行われた圃場11筆のうち、地力が「高」「中」「低」の3カ所を回り、葉色を中心に生育状況を観察した。
田植えは、昨年度行った土壌分析にもとづいて基肥量を設定し、田植え時にモバイル端末から施肥量を自動調整できる仕組みで、各圃場ごとに施肥量を変えて行った。田植機はKSAS対応側条施肥機付を使用した。
「中」の圃場は、田植え時のスリップ等により基肥が設計よりもやや多く入ったものの薄めの葉色であった。「高」「低」も葉色には問題なく、順調に生育しているようすを確認した。
つづいて、室内検討では、KSAS(圃場管理システム)の活用状況について、(有)百笑会の池田代表取締役が報告した。百笑会では「アグリノート」により圃場管理をしていたが、農機との連動が可能なKSASに魅力を感じて、昨年度の収穫からKSASを利用している。
「KSAS端末は使いやすく、問題があるとすれば自分の打ち込み忘れくらい」と評価。ただし、データ処理については、「草取り等の数字入力が不要の作業をしたときに、複数の圃場に一括入力の機能がほしい」「圃場の地図と履歴が連動して、地図上にポインターをおくと、その圃場の履歴が示されるような機能があれば便利」等の要望があった。
個々の作業を細かく入れるのが楽になれば、きちんとした記録として残すことができる。また、数字も加工次第でデータとして活かせる等、モバイルやデジタルデータを使い慣れた若い経営者ならではの提案もあり、関係者は耳を傾けていた。(みんなの農業広場事務局)