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焼酎原料用米生産の低コスト安定多収技術の確立(熊本県多良木町)

2013年06月05日

 熊本県は球磨焼酎ブランドの確立をめざし、原料用米の地産地消を推進しているが、主食用米と比べ低価格で取引されるため、収量の高位安定化に加え、省力低コスト栽培技術の確立が課題となっている。また、生産者の高齢化が進み、担い手となる生産組織のない地域があることから、原料用米の省力・低コスト化の取り組みを通じた新規組織の設立、経営安定化を目指す必要がある。


 そこで、熊本県球磨地域振興局 農業普及・振興課は今年度、「農事組合法人 多良木のびる」圃場において、全国農業システム化研究会の実証調査として、焼酎原料用米生産における多収性品種における低コスト安定生産技術を確立することとしている。


 品種は、暖地向きで短稈の多収品種「ミズホチカラ」を使用。
 実証内容は以下の通り。
●密播と疎植を組み合わせて苗箱数を削減することによるコスト削減
●田植同時施肥による省力移植栽培技術の確立


 播種作業は5月7日、箱当たり乾籾200g(慣行は120g)の密度でおこなった。
 九州・沖縄地方が梅雨入りした5月27日に慣行区、翌28日に実証区の田植え作業をおこなった。


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 :播種密度は乾籾で200g
 :苗の調査


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 :実証区(左)と慣行区(右)
 :田植え前の準備


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 実証区では植付け本数を3~5本に設定、坪当たり45株の疎植による田植え同時施肥・施薬作業を行い、省力・低コスト化をはかった。
 地域慣行では18箱程度の苗箱を使用するところを、実証区の使用箱数は10a当たり8.3箱と、大幅な削減が可能となった。

 今後は、生育や倒伏程度、労働時間等の調査が進められ、収穫は10月下旬の予定となる。生産者の所得向上のためにも、反収800kg超えを期待したい。(みんなの農業広場事務局)


 ●参考リンク
「球磨焼酎原料用米の生産が拡大しています。」は こちら (熊本県のホームページ)