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稲作




密播疎植で6.5箱-飼料用米の省力・低コスト多収穫生産技術の実証調査(新潟県上越市)

2012年05月17日

 新潟県上越地域では、採卵鶏向けの飼料用米の生産が拡大している一方、販売単価は下落しており、低コスト・多収により収益性を上げることが重要な課題となっている。
 これらの背景から、上越農業普及指導センターでは平成23年度につづき、今年度も全国農業システム化研究会の実証調査により、密播疎植と深耕を中心とした、飼料用米の省力・低コスト・多収穫生産技術の実証調査を行うこととなった。


 使用品種は「どんとこい」(多収穫品種「いただき」を混合)で、実証する技術は以下の通りとなる。
①15cmの深耕による生育量及び収量の向上
②耕盤破砕による耕うん作業効率の向上
③密播疎植と田植え同時作業による省力・低コスト化
④立毛乾燥による乾燥コストの低減
⑤穂揃い期追肥によるタンパク質含有量の向上


 5月10日、上越市三和区の(株)あぐり三和の実証圃場で田植え作業が行われた。
 時おり強い雨が降る中、県内普及関係機関、JA、生産者、関係メーカーなど約20名が参加して、作業を見守った。
 実証区では、箱当たり220g(慣行区140g)の播種量で栽培した苗を、栽植密度37株/坪(慣行区50株/坪)で移植。また、殺虫・殺菌剤(Dr.オリぜフェルテラ粒剤)および除草剤(ロングキック1キロ粒剤51)の田植え同時散布をおこない、作業の省力化をはかった。


  
除草剤散布機(こまきちゃん)と箱施用剤散布機(箱まきちゃん)を搭載した田植え機を使用
 

  
田植え同時作業(実証区)


    
使用箱数の確認


 この日の作業では欠株もほとんどなく、実証区の10a当たり使用箱数は6.5箱となった。
今後は7月の穂肥、8月の追肥など、10月上旬の収穫まで調査が行われる。(みんなの農業広場事務局)


※関連リンク
飼料用米の省力・低コスト・多収穫生産技術に関する現地検討会(新潟県上越市)