提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


農業のポータルサイト みんなの農業広場

MENU

稲作




飼料用米の省力・低コスト・多収穫生産技術に関する現地検討会(新潟県上越市)

2011年10月19日

 9月29日、新潟県上越市で全国農業システム化研究会が主催する「飼料用米の省力・低コスト・多収穫生産技術に関する現地検討会」が開催された。


 実証調査を行っている(株)あぐり三和の圃場では、耐倒伏性に優れる多収品種の「どんとこい」を用い、以下の4つの実証技術を検討している。

①深耕の確保(15cm)による収量向上
②密播疎植(播種量200g/箱、栽植密度37株/箱)、田植同時の除草剤処理による省力・低コスト化
③実肥施用による飼料効率向上(目標玄米タンパク質含量7.0%以上)
④立毛乾燥による乾燥コスト低減


 当日は、新潟県内普及関係機関、市町村、JA、関係メーカー等の関係者、上越地域の飼料用米生産者など、約30名が訪れた。
 新潟県の普及指導員からは展示圃の概要について、また、メーカーからはコンバイン(クボタ ER108)と携帯型食味分析計(クボタ K-TA200)の概要説明があった。この携帯型食味分析計は、バッテリー稼働により持ち運びできるのが特徴。現場の圃場で採取した生籾の水分量、タンパク質量をその場でかんたんに計測できる。


  
 :新潟県上越農業普及指導センター 小林氏から実証圃の説明
 :携帯型食味分析計、米番付


 その後、参加者が見守る中、収穫作業の実演を行った。6条刈りの大型コンバインを使用し、スムーズで高速な収穫作業を行うことができた。
 

  


  
収穫作業実演のようす


 今年は疎植栽培と密播により、10aあたりの箱数が9箱を下回り、慣行区の14箱に比べ、大幅なコスト削減につながった。深耕により分げつが旺盛であったため、坪刈穂数は実証区が慣行区を上回った。また、移植に係る作業時間も、苗補給回数が減ることで短縮され、省力・低コスト・多収穫生産技術の効果が大いに期待できる。
 最終的な調査活動結果は、来年2月に行われる全国農業システム化研究会最終成績検討会で報告される予定だ。(みんなの農業広場事務局)