疎植移植・鉄コーティング直播の現地適応性調査始まる(長野県大町市)
2010年05月18日
なにかと話題の多い水稲の疎植移植栽培と鉄コーティング直播栽培は、省力・低コスト化、並びに安定生産技術として地域農業に寄与できるか。これらの実証試験を行う、平成22年度全国農業システム化研究会「疎植移植・鉄コーティング直播の現地適応性調査」が、長野県北安曇農業改良普及センタ-で始まった。
北アルプスのふもと、標高約700mの大町市にある(有)鷹巣ファームの圃場で実施される調査のねらいは2つ。
1)大規模化の進む生産者が、集中する作業を分散するための省力・低コスト栽培技術としての鉄コーティング直播栽培(点播・条播)、
2)育苗労力・育苗経費の軽減を狙いとした疎植栽培(37株/1坪) で、現地適応性を検討するものである。
右 :圃場の固さを調査
大規模農家の(有)鷹巣ファームでは、移植栽培の坪当たり栽植密度は現在50株。地域の一般農家では、坪当たり60株が標準である。
各地で話題先行のきらいのある坪当たり37株の疎植栽培と、慣行栽植密度並びに「田植え+施肥+箱施薬+除草剤散布」の同時作業について実証する。
当該地域の省力・低コスト栽培技術のみならず、品種適正と安定生産栽培技術等についても、幅広く検討を重ねる計画だ。
また、(有)鷹巣ファームでは、現在カルパーコーティング直播を実施しているが、新しく開発された鉄コーティング直播機を利用した点播と条播の試験も合わせて実施した。
この技術の省力・低コスト・安定生産性等についても検討する予定。(みんなの農業広場事務局)
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