「令和4年度全国農業システム化研究会最終成績検討会」を開催
2023年03月15日
全国農業システム化研究会(主催:(一社)全国農業改良普及支援協会)は2月21、22日、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)において「令和4年度全国農業システム化研究会最終成績検討会」を開催した。
研究会では生産者、指導機関、メーカーが一体となって農政や現場の課題に取り組み、解決策を探しながら、新しい作業技術の開発を中心に、実証調査を行っている。
令和4年度は『イノベーションによる農業の生産力向上と持続性の両立を目指した実証』をテーマに、以下の課題について実証調査を行った。
(1)スマート農業技術による稲作経営の確立に関する実証調査
(2)水田における土地利用型作物等の生産効率向上に関する実証調査
(3)野菜等の効率的生産技術に関する実証調査
(4)効率的な病害虫雑草防除技術に関する実証調査
続くコロナ禍により、昨年度は完全リモートでの開催となったが、今年度は会場とオンライン(Zoomウェビナー及びYouTube配信)によるハイブリッド形式とし、各道府県の普及指導員、試験研究機関、農業資機材メーカー等から500名を超える参加があった(会場参加は約100名)。
開会にあたっては、全国農業改良普及支援協会の岩元明久会長による主催者挨拶がおこなわれ、つづいて農林水産省大臣官房の安岡澄人生産振興審議官、(株)クボタ取締役専務執行役員の木村浩人研究開発本部長による来賓挨拶があった。
左 :全国農業改良普及支援協会 岩元明久会長による主催者挨拶
右 :農林水産省大臣官房 安岡澄人生産振興審議官による来賓挨拶
株式会社クボタ 取締役専務執行役員木村浩人研究開発本部長によるリモートでの来賓挨拶
開会式および全体会議終了後には、令和3年度に策定された「みどりの食料システム戦略」に関する2つの講演を実施。
近年の気候変動等により、計画通りに農作業が進まないなど生産現場で支障が出てきており、気象情報の活用が注目されていることから、農研機構農業環境研究部門から「みどりの食料システム戦略に向けた栽培管理における気象情報の活用」について、また、先進的に環境保全型農業を推進し、全国に先駆けて「みどりの食料システム戦略」に関する基本計画を策定した滋賀県から「滋賀県における環境こだわり農業の推進について」の情報提供をおこなった。
「みどりの食料システム戦略」に関する講演2題の発表者。
左上 :農研機構 農業環境研究部門 気候変動適応策研究領域 気象・作物モデルグループ 丸山篤志グループ長
右下 :滋賀県農政水産部みらいの農業振興課 みどりの食料戦略室 今井清行氏
午後からは、2つの分科会により今年度の実証調査についての発表が行われた。
分科会詳細は、以下の通り。
■2月21日(火)
○第1分科会
・スマート農業技術による稲作経営の確立に関する実証調査
(岩手県2事例、秋田県、山形県、長野県、新潟県)
・水田における土地利用型作物等の生産効率向上に関する実証調査(福井県)
・助言者からの話題提供
○第2分科会
・野菜等の効率的生産技術に関する実証調査
(千葉県、神奈川県、島根県、佐賀県、宮崎県、青森県、秋田県)
■2月22日(水)
○第1分科会
・大豆の安定生産に関する実証調査(大豆新技術等普及展開事業)
(青森県、茨城県、埼玉県)
・水田における土地利用型作物等の生産効率向上に関する実証調査
(滋賀県、福岡県、熊本県)
○第2分科会
・野菜等の効率的生産技術に関する実証調査
(鹿児島県3事例)
・効率的な病害虫雑草防除技術に関する実証調査
(鹿児島県2事例)
・助言者からの話題提供
実証内容については各地域で共通の課題となるものも多く、会場・リモート参加者双方からの質疑が活発に行われた。(みんなの農業広場事務局)
(参考)
▼全国農業システム化研究会 令和4年度実証課題一覧