令和3年度全国農業システム化研究会最終成績検討会を開催
2022年04月11日
全国農業システム化研究会(主催:(一社)全国農業改良普及支援協会)は2月15、16日、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)において「令和3年度全国農業システム化研究会最終成績検討会」を開催した。
研究会では生産者、指導機関、メーカーが一体となって農政や現場の課題に取り組み、解決策を探しながら、新しい作業技術の開発を中心に、実証調査を行っている。令和3年度は『農業イノベーションの加速化を目指した実証』をテーマに、以下の課題について実証調査を行った。
(1)スマート農業技術による一貫体系構築のための実証調査
(2)水稲省力・低コスト生産技術の導入による経営発展効果に関する実証調査
(3)水田における土地利用型作物の生産効率向上に関する実証調査
(4)野菜等の効率的生産技術に関する実証調査
(5)効率的な病害虫雑草防除技術に関する実証調査
令和3年度は、Zoomウェビナーを利用した完全リモートによる開催となったが(農林水産省のみ会場参加)、各道府県の普及指導員、試験研究機関、農業資機材メーカー等から500名を超える参加があった
開会にあたり、全国農業改良普及支援協会の岩元明久会長による主催者挨拶がおこなわれた。つづいて農林水産省農産局技術普及課の横地洋課長、(株)クボタ常務執行役員の木村浩人研究開発本部長による来賓挨拶があった。
左 :全国農業改良普及支援協会 岩元明久会長による主催者挨拶
右 :農林水産省農産局技術普及課 横地洋課長による来賓挨拶(安岡澄人生産振興審議官挨拶の代読)
開会式および全体会議終了後には、全国農業改良普及支援協会が参画する「スマート農業実証プロジェクト」の取組紹介を行った。
○棚田地域における安定的な営農継続のための先端機械・機器低コスト共同利用モデルの実証(岐阜県農政部下呂農林事務所 農業普及課)
○次世代につなぐ水稲・白ネギを柱にした中山間地域水田複合経営モデルの実証(鳥取県西部総合事務所農林局 西部農業改良普及所)
○麦・大豆の品質向上と既存機械やシェアリングを活用した土地利用型大規模経営での実践型スマート農業技術体系の実証」(福岡県飯塚普及指導センター)
※( )内は発表組織
15日午後及び翌16日には、2つの分科会に分かれて、今年度の実証調査内容の発表が行われた。発表は、事前に音声を入力したパワーポイント再生によるもので、質疑の部分はリモートのやり取りとなった。長く続くコロナ禍でリモート操作に慣れた参加者も多く、進行はおおむねスムーズであった。
分科会詳細は、以下の通り。
2月15日
第1分科会
○スマート農業技術による一貫体系構築のための実証調査(水稲)
○水稲省力・低コスト生産技術の導入による経営発展効果に関する実証調査
○水田における土地利用型作物の生産効率向上に関する実証調査(水稲)
第2分科会
○スマート農業技術による一貫体系構築のための実証調査(野菜)
○野菜等の効率的生産技術に関する実証調査(施設野菜)
2月16日
第1分科会
○水田における土地利用型作物の生産効率向上に関する実証調査(麦大豆)
○大豆の安定生産に関する実証調査(大豆新技術等普及展開事業)
小麦「後期重点施肥」におけるICTを利用した省力機械化栽培体系の実証
(滋賀県発表資料より)
第2分科会
○野菜等の効率的生産技術に関する実証調査(露地野菜)
○効率的な病害虫雑草防除技術に関する実証調査
バレイショの機械化安定生産技術開発
(鹿児島県発表資料より)
新型エダマメコンバインの現地導入に向けた作業性調査
(秋田県発表資料より)
「参集型の会議が開催されるようになってもリモートを併用してほしい」という声が多く寄せられており、アフターコロナの新たなスタイルが確立しつつあるようだ。(みんなの農業広場事務局)