令和元年度全国農業システム化研究会「スマート農業全国フォーラム」を開催(埼玉県鴻巣市・加須市)
2019年11月15日
農業の生産性を飛躍的に向上させるためには、ロボットやAI・IoT等の先端技術を活用した「スマート農業」の社会実装を図ることが急務と言われている。政府は今年度を「スマート農業元年」と位置づけており、農林水産省では全国69カ所でスマート農業に関する実証プロジェクトを行っているところである。
全国農業システム化研究会(事務局:全国農業改良普及支援協会)では、平成26年から、いち早くスマート農業(ICT)に関する実証に取り組んでおり、平成29年からはスマート農業全国フォーラムを開催している。
10月21日には、農研機構農業技術革新工学研究センターの後援、くるみ会((株)クボタ他、農業機械メーカーグループ)の協賛を得て、第3回目となる「スマート農業全国フォーラム」を埼玉県で開催、全国から約240名の参加があった。
●機械実演・展示見学
はじめに、農研機構農業技術革新工学研究センター附属農場(埼玉県鴻巣市)において、機械実演・展示見学が行われた。
左 :(一社)全国農業改良普及支援協会 岩元明久会長による主催者挨拶
右 :農業技術革新工学研究センター 藤村博志所長による挨拶
主催者である(一社)全国農業改良普及支援協会の岩元明久会長と、農業技術革新工学研究センターの藤村博志所長の挨拶の後に、機械実演が行われた。
○ロボットコンバインによる収穫作業
○ロボットトラクタによる耕耘同時作業
○直進キープ機能付きトラクタによる作業
○ロボットトラクタによる作業
○乗用田植機による可変施肥実演
○農業用ドローンの自動飛行による薬剤散布作業およびセンシングの紹介
○ラジコン除草機による除草作業
左 :自脱型コンバインで初めて自動運転アシスト機能を搭載したアグリロボコンバイン(DR6130A)
右 :リモコンによる遠隔操作で、無人での自動運転を実現したアグリロボトラクタ(SL60A)
左 :はじめに始点と終点を登録し、基準点を設定することで、基準線に平行して自動で走行する直進キープトラクタ(SL350)
右 :株間キープと施肥量キープ(メッシュマップ対応可変施肥)、直進キープおよび条間アシスト機能を持つ乗用型田植機(NW8S)
左 :障害物検知と高度一定制御レーダーを備え、RTK方式により精度の高い飛行が可能な農業用ドローン(MG-1RTK)
右 :最大40度の法面での作業可能なラジコン草刈機(ARC-500)
実演終了後の展示見学では、参加者が担当者に熱心に質問する姿があちこちで見られた。
●検討フォーラム
機械実演・展示見学後は、むさしの村さくらほーる(埼玉県加須市)に会場を移し、検討フォーラムを開催、農林水産省生産局技術普及課の今野聡課長からの挨拶の後、以下の講演が行われた。
「スマート農業の実現に向けた取り組みと今後の展開方向について」
(農林水産省生産局技術普及課 今野聡課長)
施策の報告や生産現場におけるスマート農業技術導入の動向、関連事業についての説明、また、新技術の活用についての提案などがあった。
「スマート農業技術を導入した新たな営農モデル」
(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構本部 梅本雅総括調整役)
国内農業の現状とスマート農業導入による新たな営農モデルなどについて、各種データをもとに説明を行った。
「北海道におけるスマート農業の推進状況」
(北海道農政部生産振興局技術普及課 上西新次課長)
北海道の農業・農村をめぐる情勢と道内におけるスマート農業の取り組み事例、北海道スマート農業推進協議体の設置や実演会等の取組状況などを紹介した。
「ICT農機等を活用したスマート農業の取り組み」
((株)クボタ取締役専務執行役員 佐々木真治研究開発本部長)
(株)クボタにおけるスマート農業への取り組み状況や、これまでの研究開発の取り組みと今後の方向などについて説明を行った。(みんなの農業広場事務局)