スマート農業全国フォーラムを開催(埼玉県さいたま市)
2017年12月14日
農業の担い手不足や高齢化が深刻化する中、ロボット技術やICT等の先端技術を活用する「スマート農業」が期待や注目を集めている。全国農業システム化研究会でも、新しい課題として取り組みを始めているところだ。
11月28日、「スマート農業全国フォーラム」が、埼玉県さいたま市にある農研機構農業技術革新工学研究センターにて開催された。全国から普及指導員、研究・行政機関担当者、市町村・JA関係者、生産者、農業資機材メーカー等200名を超える参加があった。
主催は一般社団法人全国農業改良普及支援協会、農研機構農業技術革新工学研究センターが後援、くるみ会(農業機械メーカーグループ)が協賛。
■検討フォーラム
検討フォーラムでは、4氏による講演が行われた。
「スマート農業の未来像」
(株)クボタ 飯田聡 取締役専務執行役員 研究開発本部長
スマート農業に取り組む背景の解説に続き、クボタの取り組むスマート農業の紹介と今後の課題について講演。
「スマート農業の研究動向」
農研機構農業技術革新工学研究センター 八谷満 高度作業支援システム領域長兼機構本部企画調整部研究管理役
ICTを活用した圃場の生産管理、技術のスマート化、社会実装が先行しているロボット農機の開発研究について説明。
「オホーツク管内における畑作・野菜でのICT活用事例」
北海道農政部生産振興局技術普及課 山岸修一主任普及指導員
全国に先駆けてICTが現場で導入されている北海道のオホーツク管内での事例紹介(GNSSガイダンスと自動操舵システム導入、可変施肥技術への活用、RTK-GNSS基地局設置と運営、等)。
「大規模水稲経営におけるKSAS活用事例」
秋田県仙北地域振興局農林部農業振興普及課 吉川進太郎技師
秋田県内法人でのKSAS導入事例の紹介(経営効果、施肥改善効果実証)。
各発表の後には会場からは多くの質問が出され、活発な質疑応答が続いた
■機械実演・展示見学
講演の後、圃場に会場を移し、無人トラクタ、自動操舵トラクタ、直進キープ(GPS搭載)田植機、農業用ドローン、パワーアシストスーツの実演が行われた。
実演後は各機械が展示され、参加者は農業の先端技術を熱心に見学した。(みんなの農業広場事務局)
左 :アグリロボトラクタ(右)による有人監視下での無人運転(左)。トラクタガイダンスシステムにより、自動操舵運転でトラクタが作業する
右 :GPSを搭載した田植機は、自動操舵で真っ直ぐに田植えを行うことができる
左 :農業用ドローンにより薬剤散布を行う
右 :パワーアシストスーツを装着することにより、女性でも20kgの荷物を軽々と持ち上げることができる