天敵を活用した露地ナスのIPM実証調査がはじまる(栃木県芳賀郡市貝町)
2015年06月10日
栃木県芳賀地域は関東でも有数の夏秋ナス産地であるが、高齢化等にともない、夏場の防除作業が負担になっている。そこで、栃木県芳賀農業振興事務所では、平成27年度から全国農業システム化研究会事業を活用し、露地ナスのIPM実証調査に取り組み、天敵の活用による化学農薬の削減をめざした総合的病害虫管理技術の検討を行っている。
全国農業システム化研究会では、平成18年度から「重要病害虫対策に係わる生物農薬等の利活用に関する実証調査(IPM実証調査)」を実施し、施設園芸作物を中心に、安全・安心かつ環境に配慮した農業を目指したIPM技術の確立と普及に取り組んでおり、平成27年度から露地ナスでの展開を開始したところだ。
露地ナスIPMにおける基幹防除を担う天敵はスワルスキーカブリダニ(商品名:スワルスキー)。定植後約一カ月に当たる5月22日、実証調査関係者による放飼作業が行われた。当日は実証圃に10a当たりスワルスキー2本(50,000頭)を放飼した。
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左上 :実証区となる露地ナスの圃場。定植前には天敵に影響の少ない「デュポン™ベリマーク®SC」を苗に灌注処理
右下 :スワルスキーの処理方法についてメーカー担当者からの説明を受ける実証調査関係者
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1株に1振り、展開葉の上にスワルスキーカブリダニが放飼される
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左上 :圃場を囲むように天敵温存植物としてソルゴーを播種し、土着天敵の飛来・定着・増殖を図る
右下 :スワルスキーの放飼をする芳賀農業振興事務所の大関主任。当日は風が強かったため、風の影響を受けないよう、なるべく葉に近づけて放飼
アザミウマ類の防除としては、スワルスキーカブリダニを中心に土着天敵のヒメハナカメムシ類等が、アブラムシ類に対しては土着のテントウムシ類等が、ハダニ類に対しては土着のカブリダニ類等が活躍し、防除効果を発揮する。これらの天敵が定着し、活動しやすい環境を作ることがポイントとなる。
今後は、天敵に影響の少ない薬剤を選択しながら病害虫防除を行い、殺虫剤の散布回数を減らしていく。芳賀農業振興事務所によると「慣行防除と比べて、殺虫剤の散布回数を半分程度に減らしたい」とのことで、省力・軽労で低コストなナス栽培に向け、実証の成果が期待される。(みんなの農業広場事務局)


