提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


直進キープ・条間アシスト機能で労力減の田植え作業へ(秋田県能代市)

2019年06月06日

 秋田県能代市にある農事組合法人 能代グリーンファーム常盤では、今年で全国農業システム化研究会実証調査の3年目を迎えようとしている。


※関連記事(平成29年度)
業界初の直進キープ機能付き田植機で密播苗移植作業を実施(秋田県能代市)


 昨年、一昨年は、直進キープ機能付き田植機(EP8D-F-GS)を用いて、播種量250g前後(乾モミ換算)の密播苗を移植し、各年とも慣行の中苗移植と同程度以上の収量・品質を確保した。今年度(2019年度)は、さらに成績を積み重ねて技術の適用性を最終的に評価し、県内への普及のしかたを検討する。
 また、KSAS対応の最新型GPS田植機「NAVIWEL(ナビウェル)」を投入し、さらなる省力・軽労技術の確立を目指す。

 各区の試験設定はこれまでと同様で、3か年のデータを蓄積する。


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左が普通苗(160gまき)で右が密播苗(260gまき)。密度の違いが分かる


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クミアイ化学株式会社のトップガンGT1キロ粒剤75(左)と、Meiji Seika ファルマ株式会社のDr.オリゼフェルテラ粒剤(右)。除草効果、殺虫殺菌効果はともに高く、薬害も出ていない

 
 従来の田植機はGPSを利用した直進キープ機能のみであったが、新型田植機NW(NAVIWEL)では、さらに「株間キープ」、「施肥量キープ」、「条間アシスト」の機能が搭載されている。

 中でも「条間アシスト機能」は、田植操作が不慣れでも、熟練者並みに田植えをすることが可能な、優れた機能である。これまでは、畦手前でのUターン後、隣接する株との株間をマーカー線頼りに目視で揃える必要があったが、条間アシスト機能付き田植機ではUターン後、直進キープ開始ボタンを押す前に、隣接条間のズレを音とモニター画面で作業者へ知らせ、目標ライン上に達した際には、再び音とモニター画面で知らせてくれるため、早い段階でズレを修正することができる。水があってマーカー線が見えにくい条件でも作業ができるので、水のやりくりで苦労している水田でもありがたい機能となっている。


 5月16日に開かれた実演会には、県内各地から50人以上の見学者が訪れ、メディアもテレビ・新聞社あわせて7社が参加し、昨今のスマート農業への注目の高さをうかがわせた。


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左 :県内の概要について説明をする山本地域振興局 山崎司農林部長
右 :試験区の説明をする山本地域振興局農林部農業振興普及課 田口奈穂子主査


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多くの参加者やメディアが注目する中、直進キープの性能を分かりやすく伝えるため、手を挙げて自動での直進キープをアピール


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左 :苗や肥料、農薬は足りているか、欠株はないか等、後方確認をすることもできる
右 :直進キープおよび条間アシストにより、神経を使うことなくきれいに移植することができた


 密播では苗箱数が半分程度になるため、殺虫殺菌剤の箱施用での薬量不足が課題であった。今回は側条施薬機を用いて1kg/10aを施薬できたことから、この課題が解決した。なお、移植作業終了後の計量では、除草剤、殺虫殺菌剤、肥料の全てが、計画通りにキッチリと散布されていることが分かった。
 苗箱使用量は、10箱/10a前後を目標としたが、7.5箱/10aと少なくなった。これは、播種量が1箱当たり260g(乾モミ換算)であり苗立本数がやや多かったことと、実演会中の天気が大変良かったことから苗箱が乾き、かき取り本数が予定した4~5本から、実測で4.0~4.6本とやや少なくなったことによるものと思われる。


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1株当たり植付本数は平均4.3本。欠株率は4%であった


 今後は生育を見守りながら、慣行と同等以上の収量と品質をめざし、実証調査に取り組んでいく事としている。(みんなの農業広場事務局)



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