提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜と文化のフォーラムが「メロンフォーラム」を開催

2014年07月09日

 ちょっとぜいたくなデザートというイメージの果実的野菜であるメロンは、平成2年をピークに、現在は、作付面積、出荷量ともにピーク時の約4割まで落ち込んでいる。そのメロンの生産振興と消費拡大を目的として、7月4日、女子栄養大学松柏軒(東京都豊島区)で、野菜と文化のフォーラム主催の野菜特性研究会「メロンフォーラム」が開催された。


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●講演「メロンの栽培の歴史及び品種・作型の分化について」

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大泉利勝氏((財)園芸植物育種研究所執行理事)

 千葉県の暖地研究所でメロン育種ひとすじ30年のメロン研究者。メロン栽培の歴史及び品種・作型を説明したほか、「最近、スイカ・メロンは好まれないが、アールス系脱却の品種に期待している。また消費の変化も見据えた品種が望まれるのでは」と話した。


●講演「茨城県におけるメロンの栽培の現状と今後の課題について」

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西宮聡氏(茨城県鹿行農林事務所普及第一課長)

 茨城県内のメロン栽培の品種、栽培の実際、産地の課題について講演した。産地の課題は「消費低迷への対応と収益性の確保」であり、特に生産コストの上昇により農家手取りが急激に下がっていて、高齢農家の引退や他作物への転換も多いのが悩みと話した。


●講演「メロンの流通・消費の現状と今後の展望について」

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渡辺良治氏(東京青果(株)果実事業部調査役)

 市場からみたメロンを論じた。
 ここ2~3年、燃油高騰で無加温栽培に集中がみられ、大量のメロンをどのように売ったらよいか考えどころ。ギフトと業務需要で単価をとってきたメロンだが、バブル後に業務需要が激減、現在も元に戻っていない。「バラツキのない産地のものが売れていく」「品質は上がっている。食べ時さえ間違えなければ必ずおいしいと言える」「販売の9割を占める量販店への指導が必要と感じている」等の貴重な意見をいただいた。


●出典種苗会社のメロン品種プレゼンテーション
・タキイ種苗(株)  「レノン」
・(株)サカタのタネ 「アンデス」
・みかど協和(株)  「MK―M155」
・横浜植木(株)   「雅」(春秋系)、「クインシー」
・八江農芸(株)   「ミラノ 春立」


 各社一押しのメロンの試食も行われ、参加者は、果肉の赤系、緑系、黄緑等、異なった品種の食べ比べを楽しんだ。


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●総合討議
・棚持ちと香りは両立しないものだが、おいしいメロンを育成していきたい
・(流通に乗せやすい品種が望まれる結果)市場からは「アンデス」「クインシー」を要望されたが、個性あるメロンを作る必要も感じる
・単価は高いが、大玉は家族で食べるもの、という判断で市場は大玉メロンを産地に求めてきた
・食べ頃さえ間違えなければメロンはおいしいはず
・食べ頃の目安を販売先に示す必要があるのでは
・流通中の温度管理等で食べ頃が変わる可能性があり、むつかしい
・そもそも、消費者ニーズをとらえた分析や対応がとられてきたか? 買ってほしいならば、消費者に直接、情報提供をすべきでは。大玉は消費者ニーズか? 冷蔵庫にすぐ入れないことが伝わっていない。アールスメロンが高級メロンだということすら、消費者は知らないのでは?
 等々、それぞれの立場からメロンの生産振興・消費拡大を検討した。(みんなの農業広場事務局)