提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


『おっかなびっくり』で始まった有機栽培20年の取り組み

2007年05月15日

『おっかなびっくり』で始まった有機栽培20年の取り組みを話そう!

生産者 富谷亜喜博(とみや あきひろ)さん(農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク)が語る有機農業

富谷亜喜博さん


 NPO法人「良い食材を伝える会」と東京農業大学総合研究所「食育研究部会」が主催する、寺子屋で学ぼう!「食材の寺子屋」が2年目を迎え、「食育」に沿ったテーマの講座が今年度も月2回開かれている。5月10日には、会場である東京農業大学「食と農」の博物館で、「有機農業について」の講演が行われた。

 
 講師は千葉県山武市で有機農業を営む富谷亜喜博さん農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク)。富谷さんは、「良い食材を伝える会」の「山武こだわり農場」に場所を提供し、管理をおこなっている。


(農)さんぶ野菜ネットワークのパンフレット

 富谷さんたちの千葉県山武地域での有機栽培への取り組みは、1988年という早い時期に始まった。JA組織の中に無農薬有機栽培部会を設立したところが、他にない特色だ。

 輪作体系を営む豊かな畑作地帯であった千葉県中央部の北総台地は、当時連作障害の発生や化学合成農薬の多用に苦しんでいた。富谷さんたちは、土作りを見直して、農薬や化学肥料に頼らない農業を始めたのである。
 集まったのは27、8名。それぞれ小面積で有機栽培に取り組んだ。文字通り試行錯誤での栽培だった。


 販売に取り組むのもはじめてだったが、幸いにも有機野菜を流通販売している団体(現・大地を守る会)への取引が決まった。

 10aから開始した富谷さんは、面積をふやしながら少量ずつ多品目で輪作をした。当時は今のように資材もなく、もちろん経験もない。地元の畜産農家の堆肥を完熟させて畑に投入、土作りに力を入れた。
 「連作しなければ、病気はそう出ません。それより、大変だったのは除草作業の手間でした」

JAS有機有機認証農産物のマーク


 食べた人から「おいしい」「野菜の味が違う」と評価され、土作りが野菜本来の味をひきだすことに気がついた。有機農業への確信がふくらんだ。そして、ものではなく「食べ物」を架け橋に、作り手と食べ手(使い手)がつながる醍醐味も実感したという。


 2000年に有機農産物の認証制度がスタートし、有機部会全員でJAS有機認証を取得した。「有機部会と名乗りながら認証がないのは格好悪いでしょう。記帳はすでにしていたのですが、有機栽培特有の制約がいろいろとあるのがたいへんです」

 2005年には、50人で農事組合法人さんぶ野菜ネットワークを設立。JA組織に存在する農事組合法人で、JA組織とも地域とも共存するユニークな形態だ。


 「家庭での野菜消費が減っている現状では、今後は販路として、有機野菜の加工をおこなうところとも提携していきたい。もちろん、都市消費者との交流も続けます」(みんなの農業広場事務局)

NPO法人「良い食材を伝える会」 
東京農業大学「食と農」の博物館 イベント情報  

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