提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


紫外線の低照度・夜間照射によるイチゴうどんこ病の効率的防除技術

2017年01月31日

背景とねらい
 現在、イチゴうどんこ病を防除するため紫外線(UV-B)照射装置が市販されています。この装置の発売当初は、昼間9時~15時の紫外線照射が推奨されていましたが、紫外線は人体に有害であるため昼間の農作業の妨げとなっていました。また、導入コストが高いことも普及の妨げになっていました。そこで、農作業の妨げとならず、かつコスト低減につながる夜間短時間・低照度照射での発病抑制効果を明らかにしました。


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イチゴうどんこ病の発病状況。果実(左)と葉と果柄(右)


技術の概要
●無加温ビニルハウスのイチゴ栽培において、紫外線照射装置(図1)を用いて、紫外線を夜間0時~3時の3時間照射(設置間隔6m、放射照度4~10μW/cm2)すると、昼間9時~15時の6時間照射(4~10μW/cm2)と同等の発病抑制効果が得られました(図2)


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図1 イチゴへの紫外線照射の様子(少量土壌培地耕、品種「章姫」)


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図2 紫外線照射条件下でのイチゴうどんこ病発病果率の推移(照射時間帯の検討)
*試験期間:2012年10月4日~2013年5月17日


●夜間0時~3時の3時間照射で、紫外線照射装置の設置間隔を6mから8mに広げ、照度を2~10μW/cm2に設定しても、4~10μW/cm2と同等の発病抑制効果が得られました(図3)


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図3 紫外線照射条件下でのイチゴうどんこ病発病果率の推移(設置間隔の検討)
*試験期間:2013年10月1日~2014年5月12日
全区に4月7日フルチアニル乳剤、4月15日アゾキシストロビンフロアブル、4月22日フルチアニル乳剤(全てうどんこ病を対象とした農薬)を散布した


技術のメリット
●夜間照射で十分な防除効果が得られることから、昼間作業に影響することなく紫外線によるイチゴうどんこ病の防除ができます。
●低い紫外線放射照度と、短い照射時間でも防除効果が得られるため、導入コストの低減が図れます。また、紫外線ランプの使用期間の延長、電気代の削減を図ることができます。
●試験には直管蛍光灯形の紫外線照射装置を用いましたが、現在は低コストで導入できる電球形の紫外線照射装置(図4)が販売されています。


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図4 電球形紫外線照射装置


執筆者
有元倫子
滋賀県農業技術振興センター環境研究部病害虫管理係


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