提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


庄大根-地元農家と行政の連携で復活した赤首ダイコン

2014年04月22日

由来と特徴

●栽培地域:愛媛県松山市(旧北条市庄地区)

 「庄大根」は、根形は尻詰まりの長円筒形、根首部分から約3分の1が赤紫色、根の内部色は純白で肉質は緻密でスが入りにくく、トウ立ちが遅い品種です。青首種と比べると甘味が強く感じられ、霜に当たるようになると甘味が増してくるダイコンです。

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庄大根

 庄大根の栽培は、松山市(旧北条市) 庄地区で160年前から行われており、県内で耕土が深く、小石が少なく排水の良い当地区に集約されてきました。
 昔から地元で受け継がれ、小規模ながら生産者が一体となって栽培に取り組んでおり、地域特産で歴史もあることから「愛媛のふるさと農産物」にも選ばれています。

 庄地区では7月20日は「虫祈祷(むしきとう)」といい、地域の人がお寺に集まり、稲に悪い虫がつかないように願い、数珠を回します。その後、みんなで庄大根を使った「口金汁(くちがねじる)」でご飯を食べる行事がある等、今でもなじみの深いダイコンです。

 首の部分が赤紫色の庄大根であるが、いつの間にか赤が緑になったため、昭和57年、愛媛県農業試験場(現:愛媛県農林水産研究所)に依頼し、原種に近い種の組み合わせ実験を繰り返し、平成6年、有望な系統が得られ再誕生となりました。平成9年に地域の高齢者を中心に「庄大根研究会」が結成され、現在も技術継承が行われています。

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庄大根研究会のみなさん

栽培方法

 畝幅120cm、株間30cm、条間40cmの2条千鳥植え。
 播種時期は9月下旬。
 3回の間引き作業を行い、11月中旬から3月頃まで順次収穫を行います。

食べ方

 生食なら「大根おろし」「サラダ」に、加熱調理なら汁物や煮物にも適しています。カボスの果汁と調味料で大根を漬けた「桜漬け」は、赤い皮の部分の特徴を活かし、ピンク色に染まります。  また、ダイコンを輪切りにした切り干しを使った汁物は、乾燥した切り干しの姿が電灯の口金に似ていることから「口金汁」と呼ばれています。  豆腐と油揚げ、手作り味噌で作る口金汁は地域住民の郷土料理として根付いています。

産地の動向

 産地では栽培講習会を通して技術向上を図っています。
 地元産直市での販売、ホテル・レストランなど外食企業への出荷のほか、松山市の食育活動の一環として、23年度から給食食材として出荷を始め、幅広い年齢層を対象に情報発信と消費拡大を図っています。

執筆者
松長美樹
愛媛県中予地方局産業経済部産業振興課地域農業室 専門員

●月刊「技術と普及」平成24年12月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載