提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


大果系いちご新品種「栃木i27号(スカイベリー)」

2012年11月22日

●育成経過
 これまでの促成品種に比べて、果実が大きくて食味が良く、炭疽病などに強い品種の育成を目標に、平成17年度に大果で外観に優れる「00-24-1」を母親とし、食味が良く炭疽病に強い「栃木20号」を父親として交配しました。得られた実生から選抜を重ねていき、目標にかなった「栃木27号」を選抜しました。平成22年から2カ年にわたって現地での適応性を検討した結果、極めて大果で外観品質が優れ、収量性が高く食味も「とちおとめ」と同等に良いといった優れた特性を有することが実証されたため、平成23年11月に品種登録を出願し、平成24年2月20日に「栃木i27号」として出願公表されました。平成24年9月7日付けで「スカイベリー」という名称が商標登録となり、今後はこの名称で販売していくことになります。


20121107ichigo_01.jpg
「栃木i27号」の果実外観


●特性の概要
 草姿は立性で、生育はかなり旺盛です。早晩性は早生で「とちおとめ」と同時期に収穫始めとなります。頂花房の着花数は5~8花程度とかなり少なく、果実が極めて大きいのが特徴で、収量性は「とちおとめ」より2~3割程度高くなります。
 果形は円錐形、果色は濃橙赤で、光沢が良いのでパックに並べると非常に見栄えがします。酸度がやや低く、まろやかな味わいで、食味は「とちおとめ」と同等に優れます。
 「とちおとめ」に比べて、炭疽病、萎黄病およびうどんこ病に強く、複合的な耐病性を有します。



「栃木i27号」の着果状況    



「栃木i27号」の果実断面


●栽培上の留意点等
 頂花房の着花数が少ないので、早い作型では頂花房と1次腋花房間の収穫の谷間が大きくなる傾向があり、やや遅い12月以降から収穫が始まる作型に適していると思われます。厳寒期でも草勢が強いので、電照等は必要としません。なお、他県への許諾はしていません。



(クリックすると拡大します)


執筆者
栃木県農業試験場  
いちご研究所
重野 貴